凶・兇(読み)きょう

精選版 日本国語大辞典 「凶・兇」の意味・読み・例文・類語

きょう【凶・兇】

〘名〙
① 不吉であること。縁起が悪いこと。不祥(ふしょう)。⇔吉(きつ)吉(きち)
徒然草(1331頃)九一「『吉日に悪をなすに必ず凶なり。悪日に善を行ふに、必ず吉なり』といへり。吉凶は人によりて、日によらず」 〔詩経‐小雅・十月之交〕
② 運が悪いこと。わざわいを受けること。不運。災難
③ (形動) 心がよこしまであること。邪悪であるさま。また、そのような人。
※続日本紀‐天平神護元年(765)四月丙子「逆賊仲麻呂近出臣族。極凶肆逆。若斯之甚」
④ ある期間、飲食、外出などを避け、身心を清らかに保っていること。物忌み。
※狭衣物語(1069‐77頃か)一「凶は、一夜ばかりと思ふまじきものぞ」
農作物などがみのらないこと。凶作不作。饑饉(ききん)。〔孟子‐梁恵王・上〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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