円寂（読み）エンジャク

デジタル大辞泉

えん‐じゃく〔ヱン‐〕【円寂】

［名］(スル)
１ 悟りの境地。涅槃ねはん。
２ 僧が死ぬこと。入寂。
「和尚は…たくましい一篇の偈げを留めて―し」〈柳田・山の人生〉
[類語]死ぬ・寂じゃくする・入寂・入滅・遷化せんげ・大往生・お陀仏・辞世・帰寂・入定にゅうじょう

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

えん‐じゃく ヱン‥【円寂】

〘名〙 仏語。

① (parinirvāṇa （般涅槃(はつねはん)）の訳語。pari （般）は完全の意なので、円と訳したもの) 煩悩を滅して、悟りの智慧(ちえ)を完成した境界。般涅槃。涅槃。

※三教指帰（797頃）下「踰_二万劫_一兮円寂、亙_二三際_一兮無為」 〔大宝積経‐五六〕

② (━する) 転じて、僧が死ぬこと。入寂。遷化(せんげ)。

※正法眼蔵（1231‐53）行持「師の円寂ののち、虎象、石をはこび泥をはこびて、師の塔をつくる」

出典　精選版 日本国語大辞典