円分方程式(読み)えんぶんほうていしき(英語表記)cyclotomic equation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「円分方程式」の意味・わかりやすい解説

円分方程式
えんぶんほうていしき
cyclotomic equation

円周等分方程式ともいう。方程式 xn-1=0 の根は,複素数領域では,正確に n 個存在する。これら n 個の根は,x=1 を一つの頂点にもち,単位円に内接する正 n 角形の頂点によって示すことができる。xn-1=0 の左辺xn-1=(x-1)(xn-1xn-2+…+1) と書き換えれば,これが 0になるためには,
(1) x-1=0 すなわち x=1
(2) xn-1xn-2+…+1=0
の一方が満たされるときにかぎる。方程式 (2)は,1の n 個の n 乗根のうち 1を除いた n-1 個の根を与える。この方程式 (2),あるいはそれを因数分解した因子を 0とおいた方程式を円分方程式という。

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世界大百科事典(旧版)内の円分方程式の言及

【整数論】より

… 1801年にはガウスの《数論研究Disquisitiones arithmeticae》が出版され,整数論は,それ以前の知識の集積という状態から体系的な数学の一分野になった。この著書においてガウスは,初等整数論の結果を系統立てて述べた後,平方剰余の相互法則の一般的な証明を与え,二変数二次形式論を展開して,その二次の不定方程式への応用を述べ,最終章においては円分方程式xn-1=0について論じ,2n+1の形の素数に対しては,正p角形で作図可能であることを述べている。ガウスはとくに平方剰余の相互法則に興味をもち,それぞれ異なった着想に基づく証明を全部で六つ与えた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」