内見(読み)うちみ

精選版 日本国語大辞典 「内見」の意味・読み・例文・類語

うち‐み【内見】

〘名〙
① 表立たないで内々で見ること。内覧。ないけん
※歌舞伎・鳥辺山心中(宝永三年)(1706)「兄御に内見(うちみ)なされと」
江戸時代、その年の租率を決めるにあたり、村役人・地主立ち会いのもとに、稲の出来ぐあいを検査して実収高をさだめること。内検。内検見。〔地方凡例録(1794)〕

ない‐けん【内見】

〘名〙
公式にではなく、内々に見ること。また、公開しないでうちわだけで見ること。内覧。
上杉家文書‐(年未詳)(17C初)一一月一九日・直江兼続自筆書状「仍而仙北より書状内見候而、越候由、尤候」

ない‐み【内見】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「内見」の意味・読み・例文・類語

ない‐けん【内見】

[名](スル)
内々に見ること。内覧。「委員会報告内見する」
《「内部見学」の略》建物の内部を実際に見ること。多く、不動産売買賃貸契約の際に行うものをいう。内覧。
ないみ(内見)
[類語]内覧下見

ない‐み【内見】

江戸時代、代官検見けみを実施する以前に、村役人があらかじめ収穫量の調査を行ったこと。ないけん。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の内見の言及

【検見】より

…しかし検地当時の位・石盛(こくもり)が生産力の発展に伴い現実にそぐわなくなり,検地帳が紛失して位・石盛がわからなくなった場合もあって,位・石盛やそれに対応する根取米・当合を廃し,実際の収穫高をもとに年貢を決定する法として有毛検見取法が行われた。 村方では検見に先立ち村役人と地主が内見(ないみ)(立毛の下見)を行い,田1筆ごとに付け木に字,地番,田位,畝歩,内見毛付,持主名を記し篠竹に挟んだ立札を立て,内見合付帳と耕地絵図を作成し,代官・手代に提出する。内見帳では有合毛(坪当内見籾)ごとに反別を集計し,有合毛ごとに坪数を乗じ(皆無は除く)内見籾高を申告する。…

※「内見」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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