内線作戦（読み）ナイセンサクセン

デジタル大辞泉

ないせん‐さくせん【内線作戦】

敵軍に包囲されたり挟撃されたりするような位置で作戦を展開すること。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ないせん‐さくせん【内線作戦】

〘名〙 敵に囲まれたりはさまれたりするような位置で、作戦を展開すること。また、そのような戦闘。

出典　精選版 日本国語大辞典

改訂新版　世界大百科事典

内線作戦 (ないせんさくせん)

作戦軍が敵に対して，基地（策源地）から遠心的に作戦することを内線作戦といい，これとは反対に，敵軍を包囲または挟撃する態勢から敵の策源地の方向に求心的に作戦することを外線作戦という。内線・外線の態勢は，通常地理的な状況や，彼我両軍の配置によって生ずるが，作戦軍が機動によって作為することもできる。

　内線作戦指導の主眼は敵を各個撃破することである。兵力を集中して，分散した敵の一部ずつを，順次に各個撃破して全般的な勝利を収める。このため，少ない兵力で戦うことができるが，包囲される態勢にあるので，各個撃破に失敗し，またはその成果が十分でないときは，逆に致命的打撃を受けるおそれがある。これに対して，外線作戦は，主動的に作戦することができ，指揮が適切で，部隊相互の連係が当を得れば，敵を包囲して決定的な成果を収めることができる。

　内線作戦では，部隊の大きさに応じて適切な作戦行動の地積（機動の余地）をもつことが必要で，この地積が広すぎても狭すぎても作戦指導を困難にする。
執筆者：塚本 勝一

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」