兼合(読み)かねあい

精選版 日本国語大辞典 「兼合」の意味・読み・例文・類語

かね‐あい ‥あひ【兼合】

〘名〙
① よい程合い。頃合い。また、物事標準
浄瑠璃薩摩歌(1711頃)夢分舟「よけんよけんとしけれども、せきにせいたる手ものびて、見こみのかねあひはづれけん」
両者がうまくつりあいを保つこと。また、その状態や、つりあう割合
政談(1727頃)三「此かね合を不知ときは、天地人全体道理に通達せぬ故に」
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉下「正に是機一発といふ処、所謂七分三分の兼合(カネアヒ)

かね‐あ・う ‥あふ【兼合】

[1] 〘自ハ四〙 二つ以上のものが互いにつりあう。平均する。
※雑俳・後の栞(1816)「兼合ふて・煤掃早ふ仕る門徒」
[2] 〘他ハ四〙 互いに気がねをする。遠慮をしあう。
※浄瑠璃・持統天皇歌軍法(1713)三「兄弟心をかねあひて、きびしく番をぞつとめける」

かにょい‐あ・う かにょひあふ【兼合】

〘他ハ四〙 (動詞「かねあう(兼合)」の変化した「かにょう」に、「合う」を重ねて付けたもの) 互いに譲り合う。
浮世草子日本永代蔵(1688)二「誰の彼のと兼(カニョ)ひあひ舞姫の跡にて鞁ばかり打て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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