典型契約(読み)てんけいけいやく

精選版 日本国語大辞典 「典型契約」の意味・読み・例文・類語

てんけい‐けいやく【典型契約】

〘名〙 一般に行なわれる契約典型的なものとして、法律が特にその形態規定している契約。民法は、贈与売買・交換・消費貸借使用貸借賃貸借・雇傭(こよう)請負委任寄託組合終身定期金和解の一三種を典型契約として規定するが、商法上の運送保険交互計算など特別法によって規定されるものもある。有名契約

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デジタル大辞泉 「典型契約」の意味・読み・例文・類語

てんけい‐けいやく【典型契約】

法律にその名称内容が規定されている契約。民法では贈与・売買・賃貸借・請負など13種類があり、ほか特別法で規定されるものもある。有名契約。→無名契約

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「典型契約」の意味・わかりやすい解説

典型契約
てんけいけいやく

有名契約ともいう。民法典は、取引上、経済生活上、頻繁に行われると考えられる契約を第3編(債権)第2章(契約)第2節以下に規定した。これを典型契約という。具体的には、贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇用、請負(うけおい)、委任、寄託、組合、終身定期金、和解の13種類であるが、終身定期金などは、日本ではあまり行われていない。これらの典型契約の規定は、契約当事者が、これらの契約を結びながら、その内容を定めなかったとか、あるいは定めても、その意味が明確でなかった場合に適用されることになる。なお、右にあたらない契約を不(非)典型契約または無名契約といい、とくに典型契約の要素を含むものを混合契約という。

淡路剛久

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「典型契約」の意味・わかりやすい解説

典型契約
てんけいけいやく

有名契約ともいう。民法その他の法律で規定されている契約を意味する。民法の規定する契約は,贈与,売買,交換,消費貸借,使用貸借,賃貸借,雇傭,請負,委任,寄託,組合,終身定期金,和解の 13種である (549~696条) 。これに対して,法律上特に規定されていない契約を非典型契約 (無名契約) という。そのうち,典型契約類似の要素を含んだものは混合契約といわれる。契約自由の原則からみて,非典型契約も有効である。

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百科事典マイペディア 「典型契約」の意味・わかりやすい解説

典型契約【てんけいけいやく】

一般に行われる契約の典型として,法律が特別の規定を設けている契約。有名契約とも。民法は贈与,売買,交換,消費貸借,使用貸借,賃貸借,雇用,請負,委任,寄託,組合,終身定期金,和解の13種を規定する。商法上の交互計算,匿名組合,保険等もこれに属する。→無名契約

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世界大百科事典(旧版)内の典型契約の言及

【契約】より


【私法上の契約】

[契約に関する民法の規制]
 民法は第3編第2章を〈契約〉と題し,契約総則すなわちすべての契約に通じて適用されるべき規定(民法521~548条)を掲げ,次に13種の契約類型をあげて(549~696条),それぞれにつき規定をおいている。13種とは,贈与,売買,交換,消費貸借,使用貸借,賃貸借,雇傭,請負,委任,寄託,組合,終身定期金,和解であり,これらを典型契約という(それぞれの内容については各項目を参照)。しかし,契約に関する民法の規制は,契約の章に属する規定だけではない。…

※「典型契約」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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