共済事業(読み)キョウサイジギョウ

デジタル大辞泉 「共済事業」の意味・読み・例文・類語

きょうさい‐じぎょう〔‐ジゲフ〕【共済事業】

相互扶助のため、組合員一定額の掛金を積み立て、傷害病気死亡火災交通事故などが発生した際に、共済金を給付する事業。→共済

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改訂新版 世界大百科事典 「共済事業」の意味・わかりやすい解説

共済事業 (きょうさいじぎょう)

同一の組織に属する者あるいは同一の職業または事業に従事する者が,共済組合協同組合などの組合を組織し,一定の技術的基盤に立ち,特定あるいは不特定の期間中,経済的な危険や不測の事故に対する相互の救済を目的として行う事業をいう。いろいろな組合により各種の共済が行われており,加入者の自動車事故,傷害,死亡,疾病,火災などに対して給付を行う。共済は,多数の組合員の掛金を原資にして,個々の組合員の損害に関し給付を行う点で保険の原理に立脚した制度であるが,一般に,(1)原則として加入資格者は組合員に限られる,(2)給付金につき金額の制限などが設けられており,見舞金の性格が強い,(3)事業規模が小さく,合理的な掛金を算定しにくい,などの点で保険事業と異なる。しかし,近年は,共済のなかにも多くの加入者を集め,給付も見舞金の程度を超えて保険金に劣らないほどの額になるなど,保険とほぼ同一の内容をもつものがでている。農業協同組合共済は全国規模で共済事業を行っている。

 保険会社により営まれる保険事業が,保険業法に基づき監督されているのに対し,共済事業には法律上の根拠をもたないで営まれているものと,各種の法律に基づいて事業を行うことが認められているものとがある。前者には,公益法人営利法人,任意団体によるものがある。後者には,条例に基づくもの(地方公共団体が行うもの),福利厚生と規定されているもの(事業協同組合,商工組合が行うもの),共済事業と規定されているもの(農業協同組合,水産業協同組合共済会,農業共済組合消費生活協同組合環境衛生同業組合,火災共済協同組合,労働組合が行うもの)がある。なお,共済,保険いずれにしても,その実施には主務大臣の認可が必要である。
共済組合
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保険基礎用語集 「共済事業」の解説

共済事業

共済とは、特定の職場で働く人や特定の地域に居住している人が加入する協同組合等が、組合員の福利厚生、あるいは経済的地位の安定向上のために実施する相互扶助制度を指します。死亡、傷害、疾病、火災、交通事故などの際に一定の給付が行われます。共済事業を実施する協同組合としては、農業協同組合法に基づく全国共済農業協同組合連合会けA全共連)、消済生活協同組合法に基づく全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)等の組織が大きい。このほかにも、農業災害補償法、中小企業等協同組合法や地方自治法により行う共済事業などがあります。

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