共和暦第三年憲法(読み)きょうわれきだいさんねんけんぽう(英語表記)Constitution de l'An III

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「共和暦第三年憲法」の意味・わかりやすい解説

共和暦第三年憲法
きょうわれきだいさんねんけんぽう
Constitution de l'An III

1795年8月22日公布されたフランス共和国憲法。1794年7月のマクシミリアン・フランソアマリ・イジドール・ド・ロベスピエール失脚後,主導権を握ったテルミドール派のフランソア=アントアーヌ・ド・ボアシ・ダングラとドヌーを中心に起草された。1794年前半の人民主権的方向をもった独裁防止の性格が強い。前文に「人間と市民の権利と義務の宣言」があり,本文は 377条からなる。普通選挙の否定と重要公職の二重間接選挙制(→間接選挙)をとり,立法機関は法令発議権をもつ五百人会とその採決権をもつ元老会の二院制(両院制),また行政府は 5人の総裁からなる総裁政府をつくり,政府は国家の安全と防衛のための軍隊指揮権,高官任免権をもつなど,行政府優位の権力分立体制を定めた。これは 1791年憲法体制を引き継ぐブルジョア支配の法的確立を意味するもので,ここにフランス革命の基本線が示されている。この憲法は 1799年12月の「共和暦第八年憲法」の制定まで存続した。(→フランス憲法

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