共(漢字)

普及版 字通 「共(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] キョウ
[字訓] つつしむ・そなえる・ともに

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
(きよう)(廾)と同じく左右の手。卜文はに作り、金文はそれぞれ上に(こん)形のものをもって奉ずる形で、恭の意に用いる。すなわち共は恭の初文である。〔説文〕三上に「同(とも)にするなり。廿(しふ)・廾(きよう)に從ふ」とし、〔段注〕に廿を二十人と解して、二十人がみな竦手(しようしゆ)して拝する形とするが、廿は捧げるものの形、おそらく礼器であろう。礼器を奉じて拱手するので恭の意となる。〔儀礼、郷飲酒礼〕「きて共す」は拱手。左右の手を共にするので共同の意となり、また供献の意となる。

[訓義]
1. つつしむ、うやうやしい、拱手。恭の初文。
2. ともにする、一にする、あわせる。
3. そなえる、さずける、たす、供えもの。

[古辞書の訓]
名義抄〕共 トモニ 〔字鏡集〕共 マウク・トモニ・トモカラ・トモナリ・オナジ・イヤイヤシ・ウケタマハル・ソナフ・ミナ・ウスシ・トモ・トモセリ・ナホシ・モロモロ・トル

[声系]
〔説文〕に共声として鬨・供・・恭・・洪・拱・の十字を収める。供・恭・拱は一系の字。手錠の初形は両邑相対する形で、共の形を含む字ではない。

[語系]
共・・拱kiongは同声。卜文ではを供に、金文では共を恭の意に用いる。みな通用の字であった。

[熟語]
共懿共惟共允・共億共恪共学・共貫・共感・共気共軌・共議・共給・共勤共倹共済・共財・共事・共持・共承共食共斟・共共存・共治・共張・共通共逓・共同・共徳・共乳共犯共奉共謀共鳴・共有共用・共養・共楽共和
[下接語]
敬共・虔共・公共・靖共・不共

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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