六礼(読み)りくれい

精選版 日本国語大辞典 「六礼」の意味・読み・例文・類語

りく‐れい【六礼】

〘名〙
① 古代中国の礼制における、六種の士の礼、冠・婚・喪・祭・郷・相見総称。転じて、人としてわきまえるべき礼。
譬喩尽(1786)二「六礼(リクレイ) 冠 婚 喪 祭 郷飲酒 相見〈以上六也〉」 〔礼記王制
結婚に際しての六種の礼。納采問名納吉納徴請期親迎の称。
史記抄(1477)一二「娉は昏議の六礼之一ぞ」 〔文中子‐事君〕

ろく‐れい【六礼】

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デジタル大辞泉 「六礼」の意味・読み・例文・類語

りく‐れい【六礼】

《「礼記」王制から》中国古代における六種の礼式。冠・婚・喪・祭・郷飲酒・相見。
《「儀礼」士昏礼から》婚姻に関する六種の礼。納采・問名・納吉・請期しょうき・親迎・納徴。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「六礼」の意味・わかりやすい解説

六礼
りくれい

中国、古代に行われた六つの儀礼形式で、4種類ほど知られる。『礼記(らいき)』「王制篇(へん)」には「冠(元服)、昏(こん)(結婚)、喪(弔葬)、祭(宗廟(そうびょう)の祭り)、郷(謝礼、飲酒)、相見(同僚の会合時の礼)」があげられている。『周礼(しゅらい)』「春官」には「春見るを朝、夏見るを宗、秋見るを覲(きん)、冬見るを遇、時に見るを会、殷(いん)に見るを同という」とあって、四季折々に諸侯が天子に拝謁する際の礼をあげるほか、宗廟の祭祀(さいし)の礼として「肆献(しけん)(酒と肉とで祭る)、饋食(きしょく)(熟食を供えた祭り)、祠(し)(春の祭り)、やく(夏の祭り)、嘗(しょう)(秋の祭り)、蒸(冬の祭り)」の例もみられる。『儀礼』の「士昏礼」の疏(しょ)には「昏礼に六つがあり、五礼には鴈(がん)を用いる。納采(のうさい)(申込み)、問名(もんめい)(母の氏を聞く)、納吉(のうきつ)(占い)、請期(せいき)(吉日)、親迎(しんげい)(出迎え)がこれである。ただ、納徴(結納)は鴈を用いない」とあり、『小学紺珠(こんじゅ)』にも「納采、問名、納吉、納徴、請期、親迎」と六つをあげるが、これらは結婚の際のものである。

[田所義行]

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普及版 字通 「六礼」の読み・字形・画数・意味

【六礼】りくれい

士の六種の礼。〔礼記、王制〕司徒、六禮を脩めて以て民の性をす。~六禮とは、冠・昏(婚)・喪・祭・(飲酒)・(士)相見なり。

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