六島(読み)むしま

日本歴史地名大系 「六島」の解説

六島
むしま

[現在地名]笠岡市六島

真鍋まなべ島の南西方七・五キロにある小島で、周囲約四キロ、面積約一・〇二平方キロ。近世には湛江たたえ浦・まえ浦の港があり、南東方四キロの讃岐国三崎みさき(現香川県三豊郡仁尾町)との間は潮流が速く、破船も多かった。島の中央には標高一八〇メートルを超える山がそびえ、山林は四八町歩(享保五年「真鍋島村明細帳」備中真鍋島の史料)。近世、真鍋島の枝島で、庄屋は真鍋島にいて、年寄三人のうち一人が当島に居住。

六島
むしま

[現在地名]小値賀町六島郷むしまごう

小値賀島の北東方、野崎のざき島の北にある。北西宇久うく島がある。小値賀島の前方後目の六方まえがたうしろめのろくかたから移住した民によって開かれたというが、伝説の沈んだ島高麗こうらい島の生存者の後裔とも、平家落人の後裔ともいう。地内の薬師堂の応永六年(一三九九)銘の鰐口に源長とみえ、また海外貿易に用いたと思われる碇石一本が残る。江戸時代は平戸藩領で、慶長九年(一六〇四)の平戸領惣目録に六島とみえ、高二七石余。慶長国絵図でも同様。寛永年間(一六二四―四四)紀伊の藤松半右衛門が壱岐島を経て当島を基地とし、船一三艘で鯨組を経営したという(小値賀町郷土誌)。正保四年(一六四七)の小値賀郡代書付(五島堺目旧記)では高五五石余で、家数一二。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「六島」の意味・わかりやすい解説

六島
むしま

岡山県南西部、瀬戸内海の笠岡(かさおか)諸島最南端にある島。笠岡市に属す。面積1.02平方キロメートル。古くからの半農半漁村であるが、近世から生け魚輸送の活舟(いけぶね)の活動が盛んとなり、大坂などへの出稼ぎも多かった。南方の香川県三崎半島との間は約4.5キロメートル。大型船舶が通過するため、1922年(大正11)六島灯台が設置された。瀬戸内海国立公園域。笠岡港から直行船便が週2回ある。人口84(2009)。

[由比浜省吾]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「六島」の解説

六島〔長崎県〕

長崎県北松浦郡小値賀町(おぢかちょう)、五島列島の北にある平戸諸島の島。「むしま」と読む。野崎島の北約1.2キロメートルに位置する。面積約0.69平方キロメートル。かつては鯨組の拠点だったとされる。現在は少数住民による沿岸漁業が営まれている。

六島〔岡山県〕

岡山県笠岡市、笠岡港の南方約40キロメートルに位置する笠岡諸島最南端の島。「むしま」と読む。面積約1.02平方キロメートル。大正時代に建てられた六島灯台がある。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android