公功(読み)こうこう

精選版 日本国語大辞典 「公功」の意味・読み・例文・類語

こう‐こう【公功】

〘名〙 令制で、国や官司雑徭(ぞうよう)雇用農民就役させて行なった公的事業。主として、治水灌漑のための土木事業、開墾耕作播種といった農業労働、公的建築物の建造修理作業、木工鉄工製瓦などの手工業労働がこれによって行なわれ、雇用による場合には功直労賃)が支払われた。公力。公労。
三代格‐八・天長元年(824)八月二〇日「池溝堰等加公功者、不其水

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世界大百科事典(旧版)内の公功の言及

【用水】より

…用水管理の具体的な権限は国司にあったが,実際には在地の慣行や農民の動向を知悉(ちしつ)する郡司層の力によるところが大きく,用水をめぐる集落の慣行などはこれを認める姿勢を示した。また8世紀の段階で活発に行われていった造池溝や河川の築堤またその修理などの用水工事の労働は,国家によって食糧と賃金が支払われる一種の有償労働で,公功と呼ばれるものであり,民間の有力者が自己の資財によって行う私功と区別された。そしてこの公功を加えてでき上がった設備の中の水は,公水として国家管理下に置くことが主張された。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」