八雲琴(読み)やくもごと

精選版 日本国語大辞典 「八雲琴」の意味・読み・例文・類語

やくも‐ごと【八雲琴】

〘名〙 二弦琴一種。長さ一メートル、幅一二センチメートルの小形のもの。琴台にのせて右手食指にはめた爪で弾き、左手中指にはめた管で弦を押えて音高をきめる。文政年間(一八一八‐三〇)、中山通卿(琴主)と葛原勾当共同で創始したもので、出雲大社参拝に霊感を得て考案したところから、「八雲立つ出雲」の古歌に因んでこの名があるという。
風俗画報‐五八号(1893)人事門「曰新羅琴(しらぎごと)、曰箏(さうのこと)、曰八雲琴(ヤクモゴト)、曰須磨琴(すまごと)、曰月琴(げっきん)等是なり」

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デジタル大辞泉 「八雲琴」の意味・読み・例文・類語

やくも‐ごと【八雲琴】

二弦琴の一種。長さ約1メートル、幅約12センチの木製の胴の上に、2本の弦を張った琴。左手中指にはめた管で弦の勘所を押さえ、右手食指にはめた爪で弾く。文政3年(1820)に伊予中山琴主が創始したものという。出雲琴

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「八雲琴」の意味・わかりやすい解説

八雲琴
やくもごと

日本弦楽器。江戸時代後期中山琴主 (ことぬし) が創案した二弦琴で,別名「出雲琴」「玉琴」ともいう。スサノオノミコトの「八雲たつ…」の歌に合わせて弾いたところからこの名がつけられた。のち,歌舞伎囃子方の藤舎芦船 (とうしゃろせん) はこの八雲琴を改良して東流二弦琴 (あずまりゅうにげんきん) を創案した。

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改訂新版 世界大百科事典 「八雲琴」の意味・わかりやすい解説

八雲琴 (やくもごと)

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百科事典マイペディア 「八雲琴」の意味・わかりやすい解説

八雲琴【やくもごと】

二弦琴

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「八雲琴」の意味・わかりやすい解説

八雲琴
やくもごと

二絃琴

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世界大百科事典(旧版)内の八雲琴の言及

【二弦琴】より

…ただし,2弦はすべて同律に調弦されるので,複弦の一弦琴とみなすこともできる。八雲琴(やくもごと),竹琴(ちつきん),東流(あずまりゆう)二弦琴があり,大正琴(たいしようごと)もそれらの改良楽器である。二弦琴に1弦を加えて3弦としたものに,大和琴(やまとごと)または初瀬琴と称するものや,田村竹琴創案の竹琴などがあったが,伝承は絶えている。…

※「八雲琴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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