八百(読み)はっぴゃく

精選版 日本国語大辞典 「八百」の意味・読み・例文・類語

はっ‐ぴゃく【八百】

〘名〙
物事の数の多いことをいう語。「うそ八百」
※浄瑠璃・夕霧阿波鳴渡(1712頃)上「此喜左衛門頭痛八百」
② (「うそ八百」から) うそ。
※雑俳・柳多留‐七五(1822)「君五両臣八百で関を越え」
※雑俳・柳多留‐二〇(1785)「八百の上下を着るありかたさ」
④ 雁の異名
※雑俳・住吉みやげ(1708)「八百にゃ羽があるのに三文で」
[補注](1)「八百」は物事の数が非常に多いことを意味し、古代では「やお」とよみ、「八百会(やおあい)」「八百日(やおか)」「八百万(やおよろず)」のように接頭語として用いた。
(2)「八百」を漢語として「はっぴゃく」とよむ場合は「うそ八百」をはじめ「頭痛八百」「気儘八百」などのように接尾語的に用いる例が多い。これらは、たんに数量的な多さを強調するだけでなく、物事の程度のはなはだしさを強調するのにも用いられる。

や‐お ‥ほ【八百】

〘名〙 はっぴゃく。古代では数の非常に多いことを意味し、多く、名詞に付いて接頭語的に用いられる。「やおあい(八百会)」「やおか(八百日)」「やおに(八百土)」など。
続日本後紀‐嘉祥二年(849)三月庚辰「其長歌詞曰〈略〉八百(やほ)里如す磐根をひれ衣裾垂飛はし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「八百」の意味・読み・例文・類語

や‐お〔‐ほ〕【八百】

百の八倍。はっぴゃく。また、非常に数の多いこと。多く、名詞に付いて接頭語的に用いられる。「八百」「八百よし」

はっ‐ぴゃく【八百】

《八の百倍の数から》物事の数の多いことをいう語。「うそ八百

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