八幡宇佐宮御託宣集(読み)はちまんうさぐうごたくせんしゆう

日本歴史地名大系 「八幡宇佐宮御託宣集」の解説

八幡宇佐宮御託宣集(宇佐託宣集)
はちまんうさぐうごたくせんしゆう

一六巻 神吽編著

成立 正和二年

写本 宇佐神宮柞原八幡宮・奈多宮ほか

解説 編著者の神吽(大神氏)は宇佐宮学頭。八幡神出現修行なども含み、宇佐宮創始以来の由緒について託宣文書・記録を用いながら綴ったもの。編纂開始は正応三年。各巻には我巻・名巻等「我名護国霊験威力神通大自在王菩薩」の神号の各一字を配する。

活字本 昭和六一年刊(重松明久校注訓訳、底本は奈多宮本)・史料拾遺巻一・巻二(底本は宇佐神宮本)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「八幡宇佐宮御託宣集」の意味・わかりやすい解説

八幡宇佐宮御託宣集 (はちまんうさぐうごたくせんしゅう)

1313年(正和2)宇佐弥勒寺学頭僧神吽(しんうん)の撰した宇佐神宮縁起書。16巻。源平合戦により本縁起を紛失したので,1290年(正応3)より諸史料を収集し,託宣により八幡宮起源祭神などの縁起を記すが,いわゆる三韓征伐,道鏡問題にふれ,また仏教的な地方民間伝説より,宇佐中心の九州地方の神々についても記しており,八幡信仰の研究のみならず神道史研究上の主要書。宇佐神宮,筥崎(はこざき)宮,柞原ゆすはら)八幡宮,東京大学史料編纂所等に写本がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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