全習法・分習法(読み)ぜんしゅうほうぶんしゅうほう(英語表記)whole method

日本大百科全書(ニッポニカ) 「全習法・分習法」の意味・わかりやすい解説

全習法・分習法
ぜんしゅうほうぶんしゅうほう
whole method
part method

学習方法の形式をいうもので、「全習法」は系列学習において学習課題を一まとめにして反復・学習する方法である。これに対して、学習課題を適当な部分に分割して部分単位で反復・学習する方法を「分習法」という。二つの方法の相対的学習効果は、さまざまな要因の影響により左右されるので、容易にその優劣を断定できないが、基本的には学習課題の量と学習者の課題処理能力との関係が重要な役割を演じ、与えられた課題が学習者の能力の範囲内であれば全習法が有利である。また、学習の段階が進むほど、あるいは有意味でまとまりのある課題ほど、全習法が効果的である。学習の動機づけが高い場合も同様である。

 それに対して、分習法では、部分単位の学習成果を早く得ることができるため、学習の初期あるいは断片的な課題の場合には分習法が効果的である。したがって、実際の学習では、状況に応じて両者を使い分けたり適宜組み合わせたりすることがたいせつである。

[寺川智祐]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android