全斗煥(ぜんとかん)(読み)ぜんとかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「全斗煥(ぜんとかん)」の意味・わかりやすい解説

全斗煥(ぜんとかん)
ぜんとかん / チョンドファン
(1931―2021)

韓国(大韓民国)の軍人、政治家。第11~12代大統領。慶尚南道(けいしょうなんどう)陝川(せんせん)郡生まれ。1951年大邱(たいきゅう)高工卒業。1955年陸軍士官学校第11期卒業し、陸軍少尉任官。1960年アメリカ歩兵学校修了。1965年陸軍大学校卒業。軍中枢と最高会議、中央情報部など権力中枢部のポストを歴任し、1970年にはベトナム派遣白馬部隊連隊長として実戦に臨んだ。1979年の朴(ぼく)大統領暗殺事件当時に国軍保安司令官として混乱を処理し、1980年5月に光州騒乱を鎮圧して、同年8月第11代大統領に就任。1981年2月、第五共和制憲法下で民主正義党総裁として第12代大統領に当選し、3月就任した。その後、1983年ビルマ・ラングーン事件のテロや、学生・民主化勢力の攻撃を受けつつ、アメリカ、日本、アジア諸国等との関係を緊密化し、1988年のソウル・オリンピック招致に成功するなどの実績を築いた。1988年に任期を終え、平和的に政権を交替した。一時、任期中の非違を問われ山中に謹慎したが、1995年軍反乱罪等の罪で逮捕され、刑に服した。1997年特赦で出獄した。

玉城 素]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android