精選版 日本国語大辞典 「入穿」の意味・読み・例文・類語
いり‐ほが【入穿】
〘名〙 (形動)
① 和歌、連句などを作るとき、その表現、技巧に凝りすぎて、なにをいおうとしているのかわかりにくくなること。趣向がすぎていやみになること。
※毎月抄(1219)「あまりに又ふかく心をいれんとてねぢすぐせば、いりほがの入くり歌とて」
② うがちすぎてかえって真実から遠ざかってしまうこと。また、そのさま。いれほが。
※四河入海(17C前)一一「ささめいた、なりぞ。此注は、いりほかなぞ」
※続々金色夜叉(1899‐1902)〈尾崎紅葉〉二「心私(ひそか)に其の臆測の鑿(イリホガ)なりしを媿(は)ぢざるにもあらざれど」
いりほが‐
し【入穿】
〘形シク〙 (「いりほが」の形容詞化) 穿鑿(せんさく)がましい。深入りしすぎている。
※波形本狂言・酒講式(室町末‐近世初)「比丘には酒を免(ゆる)すとありしかば、旦那の元に行き、あまりあまり入りほがし」
いれ‐ばき【入穿】
〘名〙 (裾を入れてはく意から) ふだん着の長着物のままではけるもんぺ。だんぶくろ。ふんごみ。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報