入水鍾乳洞(読み)いりみずしょうにゅうどう

改訂新版 世界大百科事典 「入水鍾乳洞」の意味・わかりやすい解説

入水鍾乳洞 (いりみずしょうにゅうどう)

福島県田村市の石灰岩台地仙台平の西山腹にある鍾乳洞。1927年に第一洞が,29年に第二洞が発見され,34年天然記念物に指定された。第一洞は奥行き約600m,第二洞は約300m。洞内には川や滝があり,多種多様の鍾乳石石筍が多く〈不動滝〉〈音楽洞〉〈雄洞・雌洞〉〈天国の夢〉などの名所があり,狭いがスリルと変化に富む。洞内は四季を通じて気温14℃,水温10℃で,コウモリ,サンショウウオ,ヤスデなどが生息する。また付近には古い鬼穴や65年に発見された阿武隈洞などの鍾乳洞がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「入水鍾乳洞」の意味・わかりやすい解説

入水鍾乳洞
いりみずしょうにゅうどう

福島県東部、田村市滝根町(たきねまち)地区と同市常葉町(ときわまち)地区にまたがる鍾乳洞。大滝根山の西斜面の石灰岩台地仙台平(ひら)の下にあり、1927~1929年(昭和2~4)の発見、国の天然記念物に指定されている。第一洞(600メートル)、第二洞(300メートル)からなり、探勝が可能であるが、洞内は狭く、水流が多く、歩行が容易でない。洞内の温度14℃、水温10℃で年間を通じて変わらない。なお、洞の南東方には、1969年(昭和44)に発見された「あぶくま洞」がある。JR磐越(ばんえつ)東線菅野(すがや)駅下車。

[安田初雄]


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