精選版 日本国語大辞典 「入替・入代」の意味・読み・例文・類語
いり‐かわり ‥かはり【入替・入代】
[1] 〘名〙
① 入れかわること。交替すること。また、かわってはいること。入れかわり。
※滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)上「三坐入変(イリカハリ)の役者附は茶屋配の遅速を競ふ」
② 借金取りから逃げる一手段。仲間が冷酷な借金取りを装い、当の借金取りの同情をかって欺くもの。
※浮世草子・世間胸算用(1692)四「此二三年入替りといふ事を分別して、これにてらちをあけける」
[2] 〘副〙 次々に物事がかわるさま。絶え間がないさま。
※千鳥(1906)〈鈴木三重吉〉「自分はこの花瓶に入り替りしをらしい花を絶やした事がなかった」
いれ‐かわり ‥かはり【入替・入代】
〘名〙
① 入れかわること。交替すること。いりかわり。
※祝盃(1909)〈永井荷風〉四「入れ代りに新しく奉公にきた小間使は」
② 近世、毎年一一月に俳優が劇場を交替したこと。また、その月に興行する芝居。顔見世。
※談義本・根無草(1763‐69)後「顔見世、入替り定てより、役者附四方に散じ、世界定め、はなし初、読初(よみぞめ)稽古、惣ざらへ、下りの乗込一座のさはぎ」
③ 下男や女中が雇いの期限が切れて、他の者といれかわること。出替り。
④ ⇒いりかわり(入替)(一)②
いれ‐か・える ‥かへる【入替・入代】
〘他ア下一(ハ下一)〙 いれか・ふ 〘他ハ下二〙 (室町時代頃からヤ行にも活用した)
① あるもののかわりに他のものを入れる。中身をかえる。また、入れ場所をかえる。
※忠岑集(10C前)「わがたまを君が心にいれかへて思ふとだにも言はせてしがな」
※羅葡日辞書(1595)「Elutrio〈略〉Irecayuru(イレカユル)、ウツシカユル」
② 鉄道で、車両を別の線路に移す。
※春の城(1952)〈阿川弘之〉一「貨車を入れ替えている小型機関車の蒸気の音がする」
いり‐かわ・る ‥かはる【入替・入代】
〘自ラ五(四)〙 あるものの位置を他のものが占める。他と交替する。入れかわる。
※平中(965頃)三四「このもとのをとこの女家にいりかはりけるを、みける人なんかたりければ」
いれ‐かわ・る ‥かはる【入替・入代】
〘自ラ五(四)〙 他のものと交替する。いりかわる。
※太平記(14C後)二〇「追つ追つ入れ替る戦ひに時刻押移て、日已に西山に沈まんとす」
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