入会地(読み)いりあいち

精選版 日本国語大辞典 「入会地」の意味・読み・例文・類語

いりあい‐ち いりあひ‥【入会地】

〘名〙 入会権を行使できる地域
朝野新聞‐明治二一年(1888)二月二二日「八ヶ村入会地(イリアヒチ)のことに付き開会せし聯合会の決議につき苦情を唱え」

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デジタル大辞泉 「入会地」の意味・読み・例文・類語

いりあい‐ち〔いりあひ‐〕【入会地】

入会権が設定されている山林原野または漁場

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旺文社世界史事典 三訂版 「入会地」の解説

入会地
いりあいち

入会権(共同利用)が認められている山林・原野など
中世村落共同体荘園領民は,一定の山林・原野・湖沼などで,放牧,果実採取,採薪を行い,その他生活に必要な物を手に入れることができた。

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世界大百科事典(旧版)内の入会地の言及

【近世社会】より

…それとともに作物のわら・殻や生活のあらゆる残滓が肥料として用いられる。入会地はこのほか,治水・灌漑工事用の木材やつる類,屋根萱(かや),年中の燃料,さらにキノコその他の副産物の供給地として,農民にとって不可欠な土地となっている。この入会地は特定の村では数村共同の排他的な利用地である。…

【村中入会】より

…日本の近世期における農用林野利用の一形態。小農が自立して本百姓となり,本百姓(高持百姓)を村落構成員とする近世村落(小農村落)が成立すると,自立した本百姓の生産・生活を維持・補強するために,村落構成員(本百姓)のすべてが村落規制のもとにある入会地(刈敷山(かりしきやま),柴山,秣場(まぐさば),萱場(かやば)など)に対して共同の利用権を持つ。このような農用林野の利用形態が村中入会で,林野に対する近世領主権の支配の確立と,そのもとにおける小農の本百姓への自立とをまって,はじめて成立する。…

※「入会地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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