普及版 字通 「免(漢字)」の読み・字形・画数・意味
免
常用漢字 8画
(旧字)
7画
[字訓] ぬぐ・まぬがれる・ゆるす
[説文解字]
[金文]
[字形] 象形
字に二系あり、一は冑を免(ぬ)ぐ形で、逸脱の意がある。一は分の象で、胯間(こかん)をひらき、子の生まれる象で、の初文。俛焉(べんえん)の意がある。〔説文〕にみえず、ただ書中に多く声の字を収めているから、説解を脱したものであろう。〔段注〕十上に「するなり。に從ひ、足を見ず。會」という説解を試みているが、とは関係のない字である。金文に免氏の諸器があり、その字は免冑の象とみられる。〔国語、周語中〕「左右、冑をぎて下る」、〔礼記、曲礼上〕「冠をぐこと毋(なか)れ」のように用いる。また分のは、奐(かん)・(えん)・夐(けい)・(ぜん)の字形と関係があり、奐は渙然として生子の出るさま。は生子をとり出す意。夐・はふぐりの象を含む。分のは、俛・・(勉)の系列をなしている。字形近くして一となり、一字両義の字となった。
[訓義]
1. ぬぐ、冠をぬぐ、のがれる、まぬがれる、とる、はなれる、ゆるす。
2. うむ、うみおとす、ふす、つとめる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 マヌガル・イキヅク・ハナツ・ヤスシ・ユルス・ノガル 〔字鏡集〕 イキヅク・ユルス・シリゾク・マヌガル・ハナツ・トドム・ノゾク・ユク・ヌク
[声系]
〔説文〕に声として(晩)・冕・・・輓・など十字を収める。冕(べん)は免冑、・(べん)は分、輓はその伏すような姿勢よりしていう。
[語系]
・・冕mianは同声。phiuanはもと、あるいは生に従う字であった。
[熟語]
免身▶・免袒▶・免乳▶・免強▶・免尽▶・免役▶・免科▶・免官▶・免冠▶・免帰▶・免減▶・免罪▶・免赦▶・免囚▶・免除▶・免職▶・免税▶・免責▶・免租▶・免俗▶・免脱▶・免冑▶・免黜▶・免丁▶・免費▶・免放▶・免慮▶
[下接語]
恩免・貨免・解免・寛免・免・減免・幸免・免・災免・策免・自免・赦免・謝免・除免・請免・責免・雪免・袒免・黜免・停免・転免・逃免・偸免・任免・拝免・罷免・病免・閔免・放免・宥免・優免・賂免
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報