光明寺(島根県)(読み)こうみょうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「光明寺(島根県)」の意味・わかりやすい解説

光明寺(島根県)
こうみょうじ

島根県出雲(いずも)市馬木(まき)町にある日蓮(にちれん)宗の寺。山号は妙経(みょうきょう)山または不動山。行基(ぎょうき)作と伝える(諸種の鑑定では鎌倉時代の作)5尺2寸(約156センチメートル)余の不動尊を祀(まつ)るので、馬木不動尊と通称される。往昔は日輪山光明寺と称し、真言宗あるいは禅宗に属したが、1631年(寛永8)に日蓮宗に転じた。現在ではこのときの本法院日実(にちじつ)を開山と定めているが、あるいは『出雲国風土記(ふどき)』が、「新造院一所、朝山郷の内にあり、云々」という新造院に起源を有するかとも推測される。旧幕時代には松江藩主松平家よりの信を受けたので、三つ葉葵(あおい)御紋章入長柄など松平家に関する什宝(じゅうほう)を蔵する。毎月28日に不動尊縁日、毎年夏土用丑日(うしのひ)に不動尊大祭が行われる。

[森 章司]

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