光度計(読み)こうどけい

精選版 日本国語大辞典 「光度計」の意味・読み・例文・類語

こうど‐けい クヮウド‥【光度計】

〘名〙
光源の光の強さを測定する装置。一般に対象とする光源の光度を標準光度の光源の光度と比較して測る。

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デジタル大辞泉 「光度計」の意味・読み・例文・類語

こうど‐けい〔クワウド‐〕【光度計】

光度を測定する器械。ふつう、標準光源の光度と比較して求める。

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改訂新版 世界大百科事典 「光度計」の意味・わかりやすい解説

光度計 (こうどけい)

一般にフォトメーターphotometerという語が使われるが,これは測光器という意味で必ずしも光度計を意味しない。分光光度計のほうはスペクトロフォトメーターspectrophotometerという。(1)光源の光度を測定する装置。光度は光源からある方向に放出される光の強度である。その測定は光度既知標準電球といちいち比較して行うのが原則で,したがって光度計はその標準電球と受光器,これら両者の中間に置いて他方向からの迷光を遮断する有孔隔板,およびこれらすべてを1直線上に配置して相互の位置関係を調節するための測光ベンチなどからなる。受光器の分光感度(スペクトル感度)は標準比視感度,すなわち標準的な目の分光感度に比例したものでなければならない。初め標準電球と受光器の距離を適当に保って受光器の出力を読み,次に被測定光源を標準電球と同じ位置に置き換えて受光器の出力を読む。これら二つの読みの比から被測定光源の光度を求める。あるいは被測定光源と受光器の距離を適当に加減して,距離の逆2乗則,すなわち受光器の読みが距離の2乗に反比例するという法則を用いて計算してもよい。現在では受光器としては光電池や光電管に適当なフィルターをかけて分光感度を標準比視感度にほぼ比例するようにしたものを用い,肉眼を用いてのいわゆる視感測光はほとんど行われていない。(2)昔は光度という語が,厳密な定義なしに光または放射に関する量に対して漠然とした用い方をされていたことがあり,そのため現在でも例えば分光光度計などのように光度測定を目的としない装置を光度計と呼んでいることがある。分光光度計は単色放射,すなわちスペクトル成分が狭い波長領域だけに限られている放射に対する,物体(物質)の分光透過率または分光反射率をおもに測定する装置である。これはプリズムまたは回折格子などを用いて単色放射を取り出すモノクロメーター,受光器および試料を装着する部分などからなり,試料に入射する単色放射の放射束(単位時間当りの放射エネルギー)に対する,試料を透過しまたは試料から反射される放射束の比を測定するものであり,(1)の光度計とはまったく異なる。原理的には標準試料は不要であるが,分光反射率測定の場合には,酸化マグネシウムまたは硫酸バリウムなどの標準反射試料と比較して測定するのが実際的で,一般にはほとんどこの方法を用いている。しかし,標準試料の反射率は別途に特別な精密測定法で求めておく必要があり,また反射率の経時変化,表面状態や湿度による変化などを考慮する必要もある。現在では分光光度計は波長送り,受光器出力の測定・記録・計算など,ほとんど自動化されている。
測光
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「光度計」の意味・わかりやすい解説

光度計
こうどけい
photometer

光度は光源の明るさで,測定単位はカンデラ (記号 cd) 。測定法は単独測光と比較測光,同色と異色,肉眼判定と物理測定などの組合せにより,多様の方式がある。肉眼視の場合はすべて比較法で,標準光源に定格の光度標準電球 (15cdまたは 30cd) を使う。ルンマ・ブロードゥン光度計は最も簡単な肉眼視同色比較法で,原理は,標準電球と被検光源との明るさがあらかじめ準備した一定の明るさと等しくなる距離をそれぞれ求め,その距離の比から光度を算出する。物理測定は光電池,光電管,光電子増倍管で光の強さを直接はかるので,比較法も独立測光も可能で,肉眼判定より測定波長範囲が広く精度も高い。なお光度だけでなく,光束,照度,輝度などを含めた広い意味の測定機器全般を光度計と総称することもある。なお,フォトメータとして,写真原板の黒化度を測定するマイクロフォトメータを指す場合もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「光度計」の意味・わかりやすい解説

光度計
こうどけい

狭義には光源の光度を測定する装置。広義には照度、輝度、透過率、濃度などを測定する装置。測光器ともいう。光度を測定するのに、しばらく前までは、光度が既知の標準光源および未知の光源から測定点までの距離を調節し、その位置で輝度が等しくなるのを人間の目を使って視覚判定し、距離の関係から未知光源の光度を求める方法が用いられた。しかしこの方法は客観性に欠けるので、現在はフィルターで波長感度を人間の目のそれとあわせた光電検出器を使用し、既知光源、未知光源からある程度離れた点での照度の測定から光度を求める方法が普通用いられる。光電検出器を用いる光度計を光電光度計という。光電光度計では適当な検出器を使用すると、可視域だけでなく紫外・赤外域での光のエネルギーなどの測定も行える。また分光器と組み合わせると、各波長についての光源のエネルギー分布や試料の透過率分布の測定も可能になる。

[田中俊一]

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百科事典マイペディア 「光度計」の意味・わかりやすい解説

光度計【こうどけい】

光源の光度を測る装置。ふつう照度が光源の光度に比例し,距離の2乗に反比例して変わることを利用する。最も簡単なブンゼン光度計では白紙の中央に油やパラフィンでしみをつけ,これを光度未知の光源と標準光源の間に置き,両光源による照度が等しくなるよう距離を調節する。ジョリー光度計では白紙の代りに,白蝋の間に金属箔(はく)をはさんだものを用いる。さらに精密にしたルンマー・ブロードゥン測光器,偏光を利用するマリュス光度計もある。

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