先方（読み）センポウ

デジタル大辞泉

せん‐ぽう〔‐パウ〕【先方】

１ さきの方。向こう。「先方の山」
２ 相手方がた。「先方の意向を聞く」⇔当方。
[類語]（1）向こう・まのあたり・面前・目の前・眼前・現前・鼻先・目先・目前・鼻面はなづら・鼻っ面つら・前面・正面・真ん前・手前・直前・目と鼻の先・手近い・程近い・近い・間近い・間近・じき・すぐ・至近・近く・手が届く・指呼しこ・咫尺しせき・目睫もくしょう・目睫もくしょうの間かん・身近・手近・卑近・身辺・そば・傍ら・脇・手元・付近・近辺・近傍・近所・最寄り・許もと・足元・座右・左右・手回り・身の回り／（2）相手・相手方・先様・向こう様さま・相手側

さき‐がた【先方】

ちょっと前の時。さっき。先ほど。
「―顔を覚えた客」〈緑雨・油地獄〉

さき‐かた【先方】

相手の人。相手方。せんぽう。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

さき‐しがた【先方】

〘名〙 (「し」はもと強めの助詞) ほんのちょっと前。さっきしがた。

※搦手から（1915）〈長谷川如是閑〉にほひ「東京へ行って、先(サキ)し方(ガタ)帰(けへ)って来ただよ」

せん‐ぽう ‥パウ【先方】

〘名〙 相手の人。相手方。また、さきの方。むこう。前方。〔運歩色葉（1548）〕

※当世書生気質（1885‐86）〈坪内逍遙〉三「更に先方(センパウ)へ尋ねていって」

さき‐かた【先方】

〘名〙 相手の人。相手かた。せんぽう。

※評判記・色道大鏡（1678）一五「養子につかわして、其先方(サキカタ)より縁をもとむるぞといひふくめてをくる」

さき‐がた【先方】

〘名〙 時間的にほんの少し前。ちょっと前。さっき。

※油地獄（1891）〈斎藤緑雨〉三「先刻(サキガタ)顔を覚えた客だと思えば其処が商売で」

出典　精選版 日本国語大辞典