先島諸島(読み)さきしましょとう

精選版 日本国語大辞典 「先島諸島」の意味・読み・例文・類語

さきしま‐しょとう ‥ショタウ【先島諸島】

(本土から最も遠くはなれている島々の意) 沖縄県宮古八重山両諸島の総称。先島群島。先島。

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デジタル大辞泉 「先島諸島」の意味・読み・例文・類語

さきしま‐しょとう〔‐シヨタウ〕【先島諸島】

沖縄県西南部にある宮古諸島八重山諸島の総称。

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日本歴史地名大系 「先島諸島」の解説

先島諸島
さきしましよとう

宮古・八重山両諸島の総称。日本本土から見て沖縄島より先にあることによって明治期に命名された。単に先島と呼称する場合が多い。沖縄諸島とともに琉球諸島を構成し、日本の最西端にある諸島。面積〇・〇一平方キロ以上の島の数が四四島あり、宮古島を主体とした宮古諸島(一二島)と、石垣島を主体とした八重山諸島(尖閣諸島を含む三二島)に区分される。二〇島の有人島のほか、尖閣せんかく諸島など二四島の無人島からなる。指定離島数は二三島(うち有人離島二〇)。石垣市と平良ひらら市のほか、宮古郡と八重山郡の五町二村がある。範囲は北緯二四度三分(波照間島)から二五度五六分(尖閣諸島の久場島)、東経一二二度五六分(与那国島)から一二五度二七分(宮古島)にある。尖閣諸島を除く先島諸島の緯度は台湾島北端よりすべて南に位置する。東端の宮古島から西端の与那国島まで東西約二七〇キロ、北端の久場くば(石垣市)から南端の波照間はてるま(竹富町)まで、南北約二一〇キロに及ぶ。

地質構造琉球弧のうちの南琉球に属するが、北・中琉球までの帯状構造は明瞭でない。中琉球の沖縄島と宮古島間は約二七〇キロ離れており、慶良間けらま海裂(宮古凹地)の海底の構造線で分断され、帯状構造や火山島列(内弧)の連続性がない。

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改訂新版 世界大百科事典 「先島諸島」の意味・わかりやすい解説

先島諸島 (さきしましょとう)

沖縄県の宮古列島八重山列島の総称。先島は沖縄本島より先にある島々の意。宮古島を中心とする宮古列島がほとんど琉球石灰岩で覆われた低平な島々であるのに対し,八重山列島は県内で最も地質の多様な地域の一つで,県下最高峰の於茂登(おもと)山(石垣島。526m)を有し,変化に富んだ地形をなす。かつて先島はマラリアの有病地域で,マラリアは人頭税とともに長く住民を苦しめた。また台風の常襲地域でもあり1966年の第二宮古島台風(コラ台風)では最大風速60.8m/s,最大瞬間風速85.3m/sを記録し,後者は気象庁観測史上最大のものとなっている。生物には,西表(いりおもて)島にイリオモテヤマネコが生息するほか,天然記念物のキシノウエトカゲをはじめ,サキシマスベトカゲサキシマアオヘビなどこの諸島の固有種が多い。宮古列島ではサトウキビ,八重山列島ではサトウキビ,パイナップル,水稲などが栽培されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「先島諸島」の意味・わかりやすい解説

先島諸島
さきしましょとう

沖縄県の宮古(みやこ)、八重山(やえやま)両列島の総称。本土からみて、沖縄本島より先にあるための命名(明治時代)。単に先島とも呼称する。沖縄諸島とともに琉球諸島(りゅうきゅうしょとう)(沖縄県すべての島の総称)を構成する。宮古島、石垣島、西表(いりおもて)島を中心に18島の有人島のほか、尖閣(せんかく)諸島などの19島の無人島からなる。琉球王府時代には、人頭税やマラリアなどで苦難した地域として知られ、台風常襲地域でもある。

[目崎茂和]

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百科事典マイペディア 「先島諸島」の意味・わかりやすい解説

先島諸島【さきしましょとう】

琉球諸島のうち,宮古列島八重山列島尖閣(せんかく)諸島の総称。多くは隆起サンゴ島である。沖縄県に属する。
→関連項目南西諸島

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「先島諸島」の意味・わかりやすい解説

先島諸島
さきしましょとう

沖縄県西部,八重山諸島と宮古諸島の総称。沖縄諸島と合せ琉球諸島と呼ぶ。沖縄県のうち,北東部の沖縄諸島に比べて人口は少いが,自然景観と古くからの民俗資料に富んでいる。

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世界大百科事典(旧版)内の先島諸島の言及

【沖縄[県]】より


【風土と産業】
 沖縄県の自然は本土と大きく相違し,亜熱帯風土の特色を有している。県域は,九州南端から台湾にいたる海域に飛石のように連なる南西諸島のうち,北部の薩南諸島(大隅諸島,奄美諸島)を除いた琉球諸島,すなわち沖縄諸島先島諸島(八重山列島,宮古列島),尖閣諸島と琉球海溝をへだてて大東諸島などの島々から構成される。琉球弧(琉球諸島)の地体構造は,次のように分けられる(1965,小西健二)。…

※「先島諸島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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