先代旧事本紀(読み)センダイクジホンギ

デジタル大辞泉 「先代旧事本紀」の意味・読み・例文・類語

せんだいくじほんぎ【先代旧事本紀】

旧事紀くじき

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精選版 日本国語大辞典 「先代旧事本紀」の意味・読み・例文・類語

せんだいくじほんぎ【先代旧事本紀】

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百科事典マイペディア 「先代旧事本紀」の意味・わかりやすい解説

先代旧事本紀【せんだいくじほんぎ】

旧事本紀》《旧事紀》とも。著者未詳。10巻。神代から推古天皇までの歴史書。巻10には各国造起源を記すが,大半は《古事記》《日本書紀》《古語拾遺》の文章を基にして,綴り合わせたもの。〈大臣蘇我馬子宿禰等奉勅修撰〉とある序文は後の偽作とされ,本文成立下限は平安初期と考えられている。《先代旧事本紀大成経》とは別書。→国造本紀

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「先代旧事本紀」の意味・わかりやすい解説

先代旧事本紀
せんだいくじほんぎ

平安初期に編纂(へんさん)されたと推定される歴史書。本書の序には、620年(推古天皇28)聖徳太子、蘇我馬子(そがのうまこ)らの撰録(せんろく)するところと記すが、『古事記』『日本書紀』『古語拾遺(しゅうい)』などからの引用があるので、本書は807年(大同2)以後に成立したもの。ただし本書の内容から推して、その成立は平安初期であることは確実。全10巻、神代から推古(すいこ)天皇に至る歴史を記し、また「国造本紀(こくぞうほんぎ)」という独自の記録を収録。著者は未詳であるが、「天孫本紀」には尾張(おわり)氏および物部(もののべ)氏の系譜を詳細に記し、またほかにも物部氏関係の事績が多くみられるので、本書の著者は物部氏の一族か。「天孫本紀」「国造本紀」などは古代史の史料として重要である。『国史大系』所収。

佐伯有清

『鎌田純一著『先代旧事本紀の研究』全二巻(1960、62・吉川弘文館)』

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改訂新版 世界大百科事典 「先代旧事本紀」の意味・わかりやすい解説

先代旧事本紀 (せんだいくじほんぎ)

神代から推古天皇に至るまで,《古事記》《日本書紀》《古語拾遺》などをつづり合わせて作られた歴史書。9~10世紀初めの間に成立。10巻。略して《旧事本紀》《旧事紀》とも。序文に聖徳太子,蘇我馬子らの撰とあるため,中世の神道家などに尊重されたが,江戸時代以後,偽書判明。しかし巻五の《天孫本紀》は尾張氏,物部氏の古来の伝承,巻十の《国造(こくぞう)本紀》も古い資料によっている。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「先代旧事本紀」の解説

先代旧事本紀
せんだいくじほんぎ

「旧事本紀」「旧事紀」とも。神代から聖徳太子の死去までを記した史書。10巻。蘇我馬子(そがのうまこ)らの撰とする序文は後世の偽作。撰者は不明だが,物部(もののべ)氏の事績を多く載せていることから物部氏との関係が注目されている。成立は延喜年間(901~923)以前の平安初期と推定される。全巻を通じて「古事記」「日本書紀」からの引用が多く独自の記事は少ない。尾張・物部両氏の家伝によったとされる両氏の系譜を収める巻5「天孫本紀」と,後世の加筆部分を除く巻10「国造(こくぞう)本紀」は貴重な史料。古代末~中世に神道関係で重視されてきたが,近世初頭に偽書説がうまれて評価が低くなった。「国史大系」所収。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「先代旧事本紀」の意味・わかりやすい解説

先代旧事本紀
せんだいくじほんぎ

旧事本紀」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の先代旧事本紀の言及

【偽書】より

…また文芸的趣味のため,権力に関係なく仮託するものもある。中国では古くから偽書が多いが,日本では上古景仰意識の起こった平安末から鎌倉時代にかけて仮託が行われ,聖徳太子撰《先代旧事本紀》も平安時代の偽書であろうといわれている。聖徳太子には〈十七条憲法〉をはじめ著作が多い。…

【神道】より

…《古事記》や《日本書紀》の神話は,たしかに神道的な諸観念をよくあらわしているが,神々の祭りに際して,記紀の神話が教典として読誦されるようなことはなかった。《古語拾遺》や《風土記》も教典とされ,中世では《先代旧事本紀》も重んぜられた。しかし,それらは古典に対する知識を持つ神官の間で尊重されただけで,庶民が記紀の神話を教典として読んだわけではない。…

※「先代旧事本紀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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