精選版 日本国語大辞典 「充填剤」の意味・読み・例文・類語
じゅうてん‐ざい【充填剤】
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翻訳|filler
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ゴムやプラスチックなどを製品化するに際し、製品の品質を向上させたり、品質の多少の低下を犠牲にしても増量によって価格を下げることなどを目的として加える物質をいう。たとえば、加硫度の低い天然や合成のジエンゴムは比較的軟らかい弾性体で、ゴム輪、手袋などに使用されているが、これにカーボンブラックを配合すると、引張りや摩擦に対して強くなり、自動車タイヤやベルトなど重い荷重にも耐える製品が生まれる。フェノール樹脂や尿素樹脂(ユリア樹脂)も樹脂だけでは十分な強度をもたないので、木粉、アスベスト(石綿)、パルプ粉などを加えて、機械的性質、耐熱性などの向上が図られている。ポリ塩化ビニル樹脂に配合される沈降炭酸カルシウムなどは増量用で、価格を安くするために用いられる。しかし床タイルなどでは、ポリ塩化ビニル樹脂100部に対し、これらを300部まで配合し、摩耗にも強い固さになるようにしている。紙にも、紙質を不透明にし、印刷適性を与えると同時に、重量を増すことを目的として、滑石、硫酸バリウムなどが添加される。また、せっけんには浴用(固形)、洗濯用(固形、粉末)、薬用、工業用(固形、ペースト)などがあり、用途にあわせて酸化防止剤、着色料、香料、消毒剤、ラノリンやスクワレン(スクアレン)などが添加される。グリースには潤滑性能を高めるため、グラファイト(石墨、黒鉛)、アスベスト、雲母、亜鉛、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化モリブデンなどの粉末が用いられる。
[蜷川 彰]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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