元和航海記(読み)げんなこうかいき

改訂新版 世界大百科事典 「元和航海記」の意味・わかりやすい解説

元和航海記 (げんなこうかいき)

1618年(元和4)長崎池田与右衛門入道好運の著。著者は長崎在住のポルトガル人朱印船貿易家マヌエル・ゴンサルベスManuel Gonsalvezの船に便乗して航海術を学び,天体緯度測定法,羅針盤使用法,水深測定法,航海者の心得,日本付近の航路を記したという。しかしその内容はこの時代に出版されたポルトガルの地理学者マヌエル・デ・フィゲレードManuel de Figuerredo著《按針問答Exame de pilote》によるところが多い。
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百科事典マイペディア 「元和航海記」の意味・わかりやすい解説

元和航海記【げんなこうかいき】

元和航海書とも。1巻。池田好運(生没年未詳)が1618年に完成。好運は長崎の人で,ポルトガル人の朱印船貿易家マヌエル・ゴンサルベスに航海術を学び,2人でルソン渡航,その経験に基づき本書を書いたという。緯度測定法,天文観測器械,里程対照表,海深測定,気象観測等を扱う。しかし,内容は同時代の地理学者マヌエル・デ・フィゲレード(ポルトガル人)の《按針問答》によるところが大きい。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「元和航海記」の意味・わかりやすい解説

元和航海記
げんなこうかいき

池田好運編。1冊。航海技術を記した書。『元和航海書』ともいう。元和4 (1618) 年成立。航海中の緯度や道程をはかる方法や,マカオ台湾などへの航路を記し,地理的な内容も豊富である。『海事史料叢書』『大日本史料所収。原蔵は京都大学

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