元和弐年美濃国村高御領知改帳(読み)げんなにねんみののくにむらだかごりようちあらためちよう

日本歴史地名大系 の解説

元和弐年美濃国村高御領知改帳(村高領知改帳)
げんなにねんみののくにむらだかごりようちあらためちよう

一冊

原本 小川家

解説 奥書にあるように、美濃国の幕府代官岡田将監善同が、元和二年に作成、同家に伝来したものを野原藤左衛門家貞が貞享二年に借りて筆写したもの。内容は領主別に所領村が書上げられ、一時点での領主を知りうる。最初に尾張徳川家への美濃之内渡申分を記し、続いて尾張藩付属の石河光忠や木曾組衆の所領を記しており、元和元年の大規模な尾張藩領設定以後の美濃国内の所領関係を明らかにする必要から作成されたことがうかがわれる。村高は慶長郷帳と同じ村も多いが、増加あるいは減少する村もかなりみられ、岡田善同は寛永九年大野郡三輪村に采地替となり、その子孫は近くの池田郡沓井村に住む備中岡田藩伊東氏の下代官野原藤左衛門家と親交を結ぶ。この改帳はその関係で成立したものである。総石高五八万九千三九六石余、うち美濃国分五五万一五五石・尾張国三郡分(海西・中島・羽栗)三万九千二四一石余。村数一千一〇三ヵ村。郡別の高や寺社領も記載。「岐阜県史」史料編近世一所収。なお同じく領知帳形式の寛永の美濃国郷帳がある。現山県郡美山町谷合の臼井文太郎氏が所蔵し、奥書に寛政七年筆写とある。同郷帳によれば、総高五八万八千五〇九石余、村数一千七七。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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