僻(漢字)

普及版 字通 「僻(漢字)」の読み・字形・画数・意味


15画

[字音] ヘキ・ヒ・ヘイ
[字訓] かたよる・さける・かたほとり・よこしま

[説文解字]

[字形] 形声
声符は辟(へき)。辟は刑辟を加えて腰の肉を切りとる形で、腰斬の刑をいう。そのため端正を失うので、側僻の意となる。〔説文〕八上に「くるなり」、一義として「旁(かたは)らより牽(ひ)くなり」という。側旁の意から僻在・僻遠の意となり、また僻邪の意となる。

[訓義]
1. かたよる、みをくねらせる。
2. さける、よける、かくれる。
3. かたほとり、とおい、いなか、いやしい。
4. よこしま、あやまる、ひがごと。
5. 辟・避と通じる。

[古辞書の訓]
名義抄〕僻 ヒガム・サカサマ・アヤマル・サカル・カクス・シリゾク・ワカツ・ハヂ・ヨコシ・ヨコサマ・ユガム・サル・ヒク・ヨコタハル 〔字鏡集〕僻 サル・タフル・ハヂ・シヅム・サカル・ユガム・カクス・アヤマチ・ヨコサマ・サカサマ・キル・アヤマル・ヒク・ヨコタハル・ワヅカ・ヒガム・マロブ・タガフ

[語系]
僻phyek、辟・闢biekは声義近く、身をひらいて避け、片寄ることをいう。辟声の字に、辟の声義を承けるものが多い。*語彙は辟・避字条参照。

[熟語]
僻倪僻違・僻・僻易・僻遠僻怪・僻界僻境・僻郡・僻見僻言・僻好・僻行・僻・僻左・僻在僻錯・僻志僻恣・僻事僻儒・僻書・僻処僻壌僻陬・僻性僻静・僻説僻地・僻乱僻濫僻戻僻陋・僻老・僻論
[下接語]
隠僻・僻・遐僻・介僻・間僻・奇僻・孤僻・荒僻・曠僻・嗜僻僻・邪僻・処僻・陬僻・性僻・静僻・僻・仄僻・側僻・地僻・頗僻・便僻・幽僻

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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