僧旻(そうみん、中国の僧)(読み)そうみん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

僧旻(そうみん、中国の僧)
そうみん
(467―527)

中国、梁(りょう)代の学僧。「そうびん」ともいい、住した寺の名から荘厳(しょうごん)ともいう。法雲智蔵とともに、梁の三大法師の一人。俗姓は孫氏。呉(ご)郡(江蘇(こうそ)省蘇州)富春の人。7歳で出家し、虎丘(こきゅう)の西山(せいざん)寺に住し、僧回(そうえ)の弟子となる。13歳のとき建康(南京(ナンキン))の白馬寺に移り、さらに16歳のとき荘厳(しょうごん)寺に住して曇景(どんけい)に師事し、また僧柔(そうじゅう)(431―494)、慧次(えじ)(434―490)について経論を究めた。南斉(なんせい)の文恵太子(ぶんけいたいし)(458―493)、竟陵(きょうりょう)王蕭子良(しょうしりょう)(460―494)などの敬重を受け、492年26歳で初めて『成実論(じょうじつろん)』を講じて名を馳(は)せた。『注般若経(ちゅうはんにゃきょう)』を著し、梁の武帝(蕭衍(しょうえん))の勅を奉じて碩学(せきがく)30人とともに『衆経要抄(しゅきょうようしょう)』80巻を撰(せん)した。

[伊藤隆寿 2017年2月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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