債務超過(読み)さいむちょうか

ASCII.jpデジタル用語辞典 「債務超過」の解説

債務超過

債務者負債総額が、その企業が抱える資産の総を上回る状態を指す。ここでの資産とは、資本金や法定準備金、剰余金などの株主資本の合計額であり、これらの合計額を欠損金が上回ることで、資本勘定マイナスとなると債務超過になる。企業のすべての資本が、ほかの個人やほかの企業からの借金でまかなわれていることになり、その企業の財務体質はきわめて危険な状態にある。日本の証券取引所の場合、企業の連結決算が2年連続債務超過になると上場は廃止される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「債務超過」の意味・わかりやすい解説

債務超過
さいむちょうか
Überschuldung

消極財産 (負債) が積極財産 (資産) を上回る財産状態。客観的な経済状態である点では支払不能と同様であるが,積極財産信用労力 (技能) を考慮に入れない点で異なる。したがって債務超過でも支払不能でないこともあり,またその逆もありうる。法人において債務超過は,支払不能とともに破産原因であり,相続財産においては債務超過だけが破産原因である。

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会計用語キーワード辞典 「債務超過」の解説

債務超過

自己資本がマイナスになりいつ倒産してもおかしくない状態を債務超過といいます。債務超過になると企業の信用力が非常に低下し融資がほどんど受けられなくなる状態になります。倒産した場合に、債務を負担するのは有限責任株主ではなく、債権者だからです。欠損金が出ると、債務超過になりやすいので要注意です。

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株式公開用語辞典 「債務超過」の解説

債務超過

債務者の負担する債務の額が、資産の額より上回っている状態のこと。貸借対照表において、「資産」の合計金額よりも「負債」の金額が大きい場合をいう。債務超過の場合には、貸借対照表の資本の金額は、マイナスになっている。

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M&A用語集 「債務超過」の解説

債務超過

債務が資産を上回る状態のこと。資本のがマイナスの状態であり、一般的には財務内容が悪い会社と解されている。

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世界大百科事典 第2版 「債務超過」の意味・わかりやすい解説

さいむちょうか【債務超過】

消極財産(負債)の評価総額が積極財産(資産)の評価総額を超える状態。財産評価は,一般には,清算価値(処分価値)によるものとされる。財産だけの単純比較であって,信用,労働力,技能などの人的価値を顧慮しない。株式会社や有限会社では会社の資産だけが債権の引当てであり,債務超過のまま営業を続けると損失を増大させることにもなるので,支払不能とともにこれも破産の原因とされる(破産法127条)。存立中の合名会社や合資会社は無限責任社員の弁済が期待されることもあるので,債務超過は破産原因でない。

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デジタル大辞泉 「債務超過」の意味・読み・例文・類語

さいむ‐ちょうか〔‐テウクワ〕【債務超過】

債務の総額が資産の総額を超えている状態。→貸借対照表

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