催眠鎮静剤(読み)サイミンチンセイザイ

デジタル大辞泉 「催眠鎮静剤」の意味・読み・例文・類語

さいみん‐ちんせいざい【催眠鎮静剤】

催眠薬

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「催眠鎮静剤」の解説

催眠鎮静剤

催眠鎮静剤とは


 ライフスタイルの多様化に伴い、不眠症に悩まされる人は増え続けています。


 不眠の原因は、大きく5つに分けられます。身体的原因(痛みやかゆみ頻尿など)、生理学的原因(時差ぼけや交代勤務など)、心理学的原因(不安や緊張、葛藤など)、精神医学的原因(うつ病や不安障害、統合失調症など)、薬理学的原因(カフェインニコチンなどの多量摂取、薬の副作用など)です。


 慢性の不眠症は、うつ病などの精神疾患に伴うもの、そして生活パターンの崩れなどに起因するものが多いようです。


 心臓や呼吸器の病気、あるいは騒音照明といった睡眠環境などによっても不眠症はおこります。


 眠りに導き、不眠症を改善する薬が催眠剤(睡眠剤)で、たいていは過度の興奮を鎮める鎮静作用ももっているので、催眠鎮静剤と呼ばれています。


 催眠鎮静剤は、次の3つに大別されます。


バルビツール酸系催眠鎮静剤 中枢神経系全体のはたらきを抑えて眠りに導く薬です。催眠効果は強力で、呼吸機能を低下させる副作用があり、長期間使用し続けていると薬の効果が低下してきたり、依存状態におちいりやすいため、現在はほとんど用いられません。


ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤 バルビツール酸系催眠鎮静剤に比べると、眠りに導く作用は弱いのですが、副作用が少ない薬です。自然な眠りに導くので、もっともよく用いられる薬です。


非ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤 ベンゾジアゼピン系薬剤に比べ、筋弛緩作用が弱いため、より安全性の高い薬です。


その他の催眠鎮静剤 筋弛緩作用や依存性がないメラトニン受容体作動剤や、覚醒をコントロールするオレキシン受容体拮抗剤があり、抗不安剤抗うつ剤抗ヒスタミン剤なかにも催眠作用をもつ薬があって、催眠剤として応用されることがあります。


バルビツール酸系催眠鎮静剤


ベンゾジアゼピン酸系催眠鎮静剤


非ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤


オレキシン受容体拮抗剤


メラトニン受容体作動剤


その他の催眠剤

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