個人心理学(読み)こじんしんりがく(英語表記)individual psychology

精選版 日本国語大辞典 「個人心理学」の意味・読み・例文・類語

こじん‐しんりがく【個人心理学】

〘名〙 集団心理学社会心理学に対し、個人を研究対象として、個人の心理的特性問題にする心理学。〔国民百科新語辞典(1934)〕

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デジタル大辞泉 「個人心理学」の意味・読み・例文・類語

こじん‐しんりがく【個人心理学】

集団心理学・社会心理学に対して、個人を研究対象とした心理学。
アドラーの心理学。性欲を重視するフロイトに対して、劣等感優越への意志を重要視したもので、社会心理学的傾向をもつ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「個人心理学」の意味・わかりやすい解説

個人心理学
こじんしんりがく
individual psychology

個体心理学ともいう。一般的には,個体差を体系的に研究する心理学のこと。この意味では,差異心理学にほぼ同じ。ただし後者は個体差,性差,民族差など種々の形の差異を広く取上げる。また社会,集団を扱う社会心理学集団心理学に対比させて,個人を対象とする心理学をいう。さらにより特殊には,A.アドラーにより唱えられた心理学をいう。彼は個人の独自的な全体性を強調し,優越への欲求人間を動かす最大の動機とみなした。

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世界大百科事典(旧版)内の個人心理学の言及

【アードラー】より

…そのため数回にわたる深刻な討論の後,11年ついにフロイトと決別して,新たに自由精神分析協会を設立するに至った。12年《神経質性格について》を発表してその中で自分の学説を〈個人心理学Individualpsychologie〉と名づけ,14年には《国際個人心理学雑誌》を創刊した。その後,児童相談所の開設,各国での講演など活発な活動を続けたが,29年コロンビア大学客員教授となり,以後アメリカに定住して,ホーナイらに深い影響を与えた。…

※「個人心理学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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