信夫山(読み)シノブヤマ

デジタル大辞泉 「信夫山」の意味・読み・例文・類語

しのぶ‐やま【信夫山】

福島市中心部の北方にある山。現在は市街地に囲まれ、市民の憩いの場となっている。標高275メートル。[歌枕
「―忍びて通ふ道もがな人の心のおくも見るべく」〈伊勢・一五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「信夫山」の意味・読み・例文・類語

しのぶ‐やま【信夫山】

[1] 〘名〙 陸奥国信夫郡(福島市)の山々の総称
[2] 福島市の市街地の北方にある山。山頂羽黒神社がある。御山(おやま)青葉(あおば)山。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本歴史地名大系 「信夫山」の解説

信夫山
しのぶやま

福島市街中心の北にある独立峰。東西に長く周囲およそ七キロという。山と通称され、青葉あおば山ともいわれた。東峰の熊野くまの(二六八・二メートル)、中峰の羽黒はぐろ(二六四・二メートル)、西峰の(二六七・六メートル、湯殿山とも)の三峰が高く、ほかに立石たていし山・天狗てんぐ森・薬王寺やくおうじ山などがある。信夫三山として信仰され、古くは女人禁制・肉食禁断の山であった。密教法具等の出土品からその信仰は平安時代までさかのぼると思われる。当山は歌名所ともされ、信夫山を詠み込んだ歌も多数つくられた(信達風土雑記・信達一統志)山中には歌碑・句碑も多い。羽黒山頂上には羽黒神社があり、別当寂光じやつこう寺であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「信夫山」の意味・わかりやすい解説

信夫山
しのぶやま

福島市中心市街地の北方にある山。御山(おやま)ともよぶ。頂上は4峰に分かれ、西を羽山(はやま)(275メートル)、東を熊野(くまの)山、中央を羽黒(はぐろ)山(谷山)および薬王寺(やくおうじ)山(薬師の峯)とよぶ。羽黒山には羽黒神社が祀(まつ)られ、かつて信夫、伊達(だて)、田村、米沢(よねざわ)の鎮守(ちんじゅ)とされたこともある。羽黒神社に大わらじを奉納する信夫三山暁参りは著名。社殿の南面はユズの栽培地。

[安田初雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「信夫山」の意味・わかりやすい解説

信夫山
しのぶやま

福島県,福島市の中心市街地に北接する山。標高 272m。古くから「お山」と呼ばれ,羽黒山,湯殿山月山の三山をまつる信仰の山とされ,山頂の羽黒神社には,日本一の大わらじを奉納する「暁参り」の有名な行事がある。東端の国道4号線に面した山腹に,江戸時代中期に造られたという「岩谷観音」 (六十余体の観音像) がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

事典・日本の観光資源 「信夫山」の解説

信夫山

(福島県福島市)
21世紀に残したい日本の自然100選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の信夫山の言及

【福島[市]】より

…旧信夫(しのぶ)郡全域ともとの伊達郡,安達郡の一部を含む面積746km2で,県内ではいわき市に次ぎ,人口はいわき市,郡山市に次ぐ。中心市街地は,盆地内に孤立する信夫山(約270m)の南,阿武隈川とその支流荒川の合流点付近に位置し,16世紀末蒲生氏の所領のとき,杉妻(すぎのめ)城から福島城と改称され,その城下町として発達した。また福島の町は,奥州道中(仙台・松前道)の宿駅,阿武隈川舟運の河岸として,米や周辺の養蚕地帯の生糸,蚕種などを集散して活気を帯びた。…

※「信夫山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android