保有地(読み)ほゆうち(英語表記)tenure

翻訳|tenure

山川 世界史小辞典 改訂新版 「保有地」の解説

保有地(ほゆうち)
tenure[英,フランス],Bauernhöfe[ドイツ]

中世ヨーロッパの領主制において,領主地のなか農民の自主的経営に委ねられた土地。農民はそこでの収穫生計を営むとともに,収穫物の一部を貢租として領主に納めた。カロリング期の古典荘園においては,領主地全体に対するその割合は半分程度だったが,11世紀以降,領主直営地減少と並行してその割合は増加し,最終的には領主地の大部分となった。村落共同体のもとでは,村落全体による耕作強制や共同放牧の対象となった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「保有地」の解説

保有地
ほゆうち
tenure

中世ヨーロッパの荘園において,領主が農奴に保有させた土地。貸付地・託営地ともいう
ふつう,面積は30エーカーで,農奴は代償として領主に労働賦役 (ふえき) )・現物貨幣地代などを納める義務を負った。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android