俚言(読み)リゲン

デジタル大辞泉 「俚言」の意味・読み・例文・類語

り‐げん【×俚言】

俗間に用いられる言葉里人の言葉。俗言俚語。→雅言
その土地特有の単語や言い回し。俚語。
[類語](2方言国言葉俚語鄙語ひご訛りお国訛り

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精選版 日本国語大辞典 「俚言」の意味・読み・例文・類語

り‐げん【俚言】

〘名〙
① 俗間に用いられることば。また、ある地域の方言の語彙。俗言。俚語。
俚言集覧(1797頃)原書凡例「俚言郷語自づから善謡あり」
※稲の産屋(1953)〈柳田国男〉ニホの名の起り「安原貞室の『かたこと』といふ京附近の俚言を集めた書に」 〔新唐書‐韋綬〕
② 方言語彙のうち、現代の標準語や古典語に音声的対応をしていない語。方言独自の語。発音のなまった訛語(かご)に対していう。〔国語学(1964)〕

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普及版 字通 「俚言」の読み・字形・画数・意味

【俚言】りげん

世俗のことば、里ことば。〔唐書、綬伝〕太子の幼きに方(あた)り、綬數(しばしば)俚言を爲し、以て太子をばす。~怒り、~虔州刺に外す。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「俚言」の意味・わかりやすい解説

俚言
りげん

共通語にはない,方言特有の語彙で,里言とも書く。ベコ (牛) ,イラウ (さわる) など,世間一般に方言といっているものにほぼあたる。東条操は,「方言」を一地域における言語の全体であって,共通語と同じ要素をも含む音韻文法・語彙の総体であるとし,方言特有の語彙は俚言として区別した。この意味では俚言は方言の一部である。俚言は必ずしも分布領域が狭いとは限らず,行われていないのが事実上中央部だけのために俚言とされるものもある。訛語は発音上の差異を問題にし,語根そのものを異にする俚言とは区別されるが,その境界は曖昧である。なお『俚言集覧』などの俚言は,雅言に対して日常普通に用いる口語の意味である。

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改訂新版 世界大百科事典 「俚言」の意味・わかりやすい解説

俚言 (りげん)

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世界大百科事典(旧版)内の俚言の言及

【方言】より

…普通は場所による違い(地域方言)を指すが,欧米では社会階層,職業による違い(社会方言)をも〈方言〉ということがある。
【方言の概念とその周辺】

[方言と俚言・訛]
 学問的には〈方言〉を,ある地域で使われる言葉の全体を指す用語として使う。しかし一般に〈方言〉というと,個々の単語,しかも共通語と語形の違うものを指していうことも多い。…

※「俚言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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