促音便(読み)そくおんびん

精選版 日本国語大辞典 「促音便」の意味・読み・例文・類語

そく‐おんびん【促音便】

〘名〙 音便の一つ。発音便宜のために、語中において、ある音が促音に転ずる現象活用語連用形語尾の「ち」「ひ」「り」が、タ行音の助辞「て」「たり」などに連なる直前で起こるものが、最も多い。「立ちて→立って」「食ひて→食って」「取りたり→取ったり」の類。ただし、その外、名詞の中で起こることもあり(夫「をひと→をっと」の類)、真白(ましろ→まっしろ)のように強調の意をこめたものもある。この現象は古くからあったと思われるが、促音の表記法が一定していなかったので、明らかでない。現在のように「っ」で表記した例は院政期ごろから見られる。〔解説批評日本文典(1902)〕

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デジタル大辞泉 「促音便」の意味・読み・例文・類語

そく‐おんびん【促音便】

音便の一。主に活用語連用形の語尾の「ち」「ひ」「り」が「て」「た」「たり」などの語に連なるとき、促音「っ」となること。「待って(←待ちて)」「歌った(←歌ひた)」「売ったり(←売りたり)」の類。広義には、名詞などの語中にみられる現象についてもいう。「追手(おひて→おって)」「真白(ましろ→まっしろ)」の類。→イ音便ウ音便撥音便はつおんびん
[類語]音便イ音便ウ音便撥音便

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百科事典マイペディア 「促音便」の意味・わかりやすい解説

促音便【そくおんびん】

音便

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世界大百科事典(旧版)内の促音便の言及

【音便】より

…音便にはつぎの4種類がある。(1)イ音便,(2)ウ音便,(3)はね音便(撥(はつ)音便),(4)つめ音便(促音便)。動詞のうち,音便形をもつのは,四段活用とナ行変格およびラ行変格である(図)。…

※「促音便」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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