侍者(読み)じしゃ

精選版 日本国語大辞典 「侍者」の意味・読み・例文・類語

じ‐しゃ【侍者】

〘名〙
貴人近侍して雑用をつとめる者。そばづきの人。おそば。おつき。
※霊異記(810‐824)上「雄略天皇〈略〉の随身、肺脯の侍者なり」
今昔(1120頃か)一「王、一人侍者許を具して終に王舎城に至て」 〔春秋左伝‐襄公七年〕
② 仏語。仏菩薩あるいは師僧長老などの左右に近侍してその給仕の任に当たる者。禅寺では、焼香(しょうこう)侍者、書状侍者、請客(しんか)侍者、湯薬(とうやく)侍者、衣鉢(えはつ)侍者の五とする。
※将門記(940頃か)「五大力尊は侍者を東土に遣はし」
※延慶本平家(1309‐10)一本「鳩は大の侍者也」 〔観無量寿経〕
キリスト教で、ミサのときに司祭を手伝い、進行の補佐をする者。
※傷ついた葦(1970)〈曾野綾子〉一「光森は侍者(ミサの手伝いをする人)を先に立てて」
[補注]禅家ではまた、僧に対する書状の脇付に「侍者御中」などと用いた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「侍者」の意味・読み・例文・類語

じ‐しゃ【侍者】

貴人のそばに仕えて雑用を務める者。おそば。おつき。
仏・菩薩また師僧などに近侍する者。
キリスト教で、ミサのときに司祭を手伝い進行の補佐をする者。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「侍者」の読み・字形・画数・意味

【侍者】じしや

側近につかえる者。〔韓非子、内説上〕韓の昭侯、人をして袴(へいこ)をせしむ。侍曰く、君も亦た不仁なり。袴以て左右に賜はらずして、之れをすと。昭侯曰く、~吾(われ)必ず功のを待つなりと。

字通「侍」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「侍者」の意味・わかりやすい解説

侍者
じしゃ
servitores missae

ローマ・カトリック教会用語としては通称ミサ仕え,ミサ答え。ミサの祈りを唱える司祭に仕える者をいい,特に資格の定めはない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android