作柄(読み)サクガラ(英語表記)crop situation

デジタル大辞泉 「作柄」の意味・読み・例文・類語

さく‐がら【作柄】

農作物の育ちぐあいやできぐあい。「麦の作柄がいい」
芸術作品のできぐあい。

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精選版 日本国語大辞典 「作柄」の意味・読み・例文・類語

さく‐がら【作柄】

〘名〙
① 農作物の生育状況。
諸国風俗問状答(19C前)陸奥国白川領風俗問状答「農家にて村々ごとに打寄、其年の作柄から豊凶に付ての物がたり、農事仕方、子孫若きもの共教へ導き候」
詩文絵画彫刻などのできぐあい。
福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉幼少の時「刀剣の拵(こしら)へとなれば〈略〉小道具の作柄(サクガラ)釣合が如何(どう)とか云ふ考はある」

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改訂新版 世界大百科事典 「作柄」の意味・わかりやすい解説

作柄 (さくがら)
crop situation

農作物のできの良否を示し,作況ともいわれる。作柄は平年作基準として判定されるが,各年次の気象状況や病害虫の発生によって大きく変動するもので,単に農家の収益を左右するばかりでなく,社会経済に与える影響も大きい。したがって,主要な作物については,公的機関が作柄を推定し,作況予報として公表して,種々の対策を講ずる資料としていることが多い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「作柄」の意味・わかりやすい解説

作柄
さくがら

農作物の育ちぐあいの良否やその収穫量の多少をいう。もっとも平均的と考えられる気象の経過のもとでの作物の生育状況を過去の実績から想定し、それと現在の作物の生育状況を比較することによって、作柄の良い悪いが判定される。収穫高についての作柄を判定するにあたっては、まず平年作が決められる。平年作は、過去から現在に至る毎年の収穫高のうちから異常な年のものを除いて、その平均的な趨勢(すうせい)値として一定面積当りの収量(普通10アール当りの収穫量)が算出される。平年作より多い場合を豊作、ほぼ同じ場合を普通作、少ない場合を不作、著しく悪い場合を凶作という。日本では現在、イネ、ムギ類について、平年作を100として、106以上を良、105~102をやや良、101~99を平年並み、98~95をやや不良、94以下を不良として表す。

[星川清親]

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世界大百科事典(旧版)内の作柄の言及

【作況予報】より

…主要農作物の作柄について逐次公表される予報。イネ,麦類,いも類,豆類などの主要作物の収穫量調査は,標本筆(耕地),特定筆の実測調査および任意に選んだ農家の郵送調査・面接調査・巡回調査を行い,各作物の10a当りの収量を推定し,作付面積を乗じて実収量を推定・算出する。…

※「作柄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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