作品(文芸雑誌)(読み)さくひん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「作品(文芸雑誌)」の意味・わかりやすい解説

作品(文芸雑誌)
さくひん

月刊文芸雑誌。1930年(昭和5)5月号から40年4月号まで全120冊。作品社発行。編集・発行者駒沢(こまざわ)文一、実質的な編集には小野松二があたった。発刊前年から出ていた『文学』(第一書房)の系統を受け継ぎ、芸術派文学の一拠点となった。主たる寄稿者は堀辰雄(たつお)、井伏鱒二(いぶせますじ)、小林秀雄永井龍男(たつお)、河上徹太郎、中島健蔵ら。梶井(かじい)基次郎『交尾』、石川淳『普賢(ふげん)』などを掲載、プルースト、シェストフらの訳載も貴重であった。創刊号から36年12月号まで80冊が日本近代文学館から復刻されている。

保昌正夫

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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