普及版 字通 「作(漢字)」の読み・字形・画数・意味
作
常用漢字 7画
[字訓] つくる・なす
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 形声
声符は乍(さく)。乍は作の初文。〔説文〕八上に「すなり」と作興の意とする。乍は木の枝を強く撓める形で、垣などを作る意。卜辞に「を乍(つく)る」「邑を乍る」のように、大きな土木工事をする意に用いる。金文に至っても「寶彝(はうそんい)を乍る」のように用い、また「乍邑」「乍」の語がある。また「乍鑄」「乍爲」より「厥(そ)の爪と乍(な)る」のようにひろく一般の制作・行為をいい、まだ作の字はみえない。〔周礼、秋官、柞氏〕は、柞薪を以て獣の陥穽を作ることを掌り、その中(せいちゆう)の逆木(さかぎ)を柞鄂(さくがく)という。木の枝を撓めてこれを作るもので、乍の初義を知ることができる。
[訓義]
1. つくる、木の枝をまげて垣などを作る。
2. ものをつくる、いとなむ。
3. おこす、なす、はじめる、たつ。
4. なる、いたす。
5. もちいる、はたらく。
6. その地位につかせる、任ずる。
7. 柞と通じ、たがやす、くさぎる。
8. 詐と通じ、いつわる。
9. 詛と通じ、のろう。
10. 鑿と通じ、うがつ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕作 ナル・ナス・ス・ツクル・オコス・ヲル・ユク・ヲサム・ヲフ・ヲヒタリ・キク・ヲツ・タリ・タラム・ノリ・スチ・タツ・ツカフ・タメニ・サクル・イタル・カハル・ハジム・ワザ・サク
[声系]
〔説文〕に作声として筰など二字を収める。筰は竹索。竹を撓めて垣などとする意であろう。
[語系]
作・做tzakは同声。做は近世以後に用いる字である。また(造)dzuk、就dziukも声義に通ずるところがある。は金文では舟(盤の形)と(告)に従う字。盤に神饌を盛り、祈ってことの成就を願う意。就は京形の建物、たとえば京観などの竣工にあたって犬牲を供し、その落成を祝う意。みな「つくる」「なす」とよむ字である。ものの制作・完成とその儀礼に関する字である。
[熟語]
作業▶・作悪▶・作意▶・作威▶・作為▶・作院▶・作▶・作詠▶・作▶・作家▶・作火▶・作歌▶・作画▶・作会▶・作害▶・作楽▶・作鄂▶・作▶・作活▶・作気▶・作亀▶・作偽▶・作儀▶・作戯▶・作客▶・作仇▶・作強▶・作嬌▶・作曲▶・作▶・作苦▶・作寓▶・作▶・作繭▶・作言▶・作故▶・作興▶・作穀▶・作材▶・作冊▶・作詩▶・作事▶・作辞▶・作者▶・作手▶・作主▶・作書▶・作証▶・作色▶・作新▶・作成▶・作声▶・作制▶・作勢▶・作戦▶・作践▶・作態▶・作獺▶・作竹▶・作田▶・作徒▶・作東▶・作頭▶・作▶・作闘▶・作難▶・作任▶・作念▶・作馬▶・作配▶・作陪▶・作伐▶・作範▶・作伴▶・作眉▶・作病▶・作品▶・作夫▶・作風▶・作服▶・作物▶・作文▶・作弊▶・作保▶・作法▶・作夢▶・作民▶・作務▶・作問▶・作勇▶・作俑▶・作養▶・作料▶・作力▶・作礼▶・作儷▶・作弄▶・作労▶・作論▶・作用▶・作▶
[下接語]
遺作・役作・仮作・佳作・家作・寡作・改作・怪作・偕作・合作・間作・贋作・奇作・器作・偽作・擬作・客作・旧作・居作・凶作・競作・近作・句作・愚作・偶作・下作・戯作・劇作・傑作・原作・工作・功作・巧作・好作・耕作・混作・試作・詩作・自作・実作・習作・述作・春作・聖作・製作・拙作・作・蚤作・創作・操作・造作・雑作・多作・駄作・大作・代作・単作・鋳作・著作・賃作・適作・天作・佃作・東作・盗作・動作・農作・半作・丕作・不作・風作・平作・兵作・米作・豊作・発作・凡作・万作・満作・名作・模作・妄作・乱作・濫作・力作・輪作・連作・労作
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報