余所目(読み)よそめ

精選版 日本国語大辞典 「余所目」の意味・読み・例文・類語

よそ‐め【余所目】

〘名〙
① よそながら見ること。見るともなしに見ること。
万葉(8C後)一二・二八八三「外目(よそめ)にも君が姿を見てばこそ吾が恋やまめ命死なずは」
② 無関係な人が見た感じ。はたのものが見る目。はた目。人目。よそ見。
源氏(1001‐14頃)若菜上「白き物どもをしなじなかづきて、山ぎはより池の堤過ぐるほどのよそめは、千年をかねて遊ぶ鶴の毛衣に思まがへらる」
③ よそごととして見ること。見ても問題にしないこと。見て見ないふりをすること。傍観。よそ見。
古今(905‐914)物名・一一〇五「憂き目をばよそめとのみぞのがれゆくくものあはたつ山のふもとに〈あやもち〉」
④ よそを見ること。わき見。横見。よそ見。
※木工権頭為忠百首(1136頃)桜「あたりなる花のよそめに山川のまろ木の橋をふみぞわづらふ〈源頼政〉」
⑤ よそから見て見まちがえること。また、その見まちがえた姿。
※安法集(983‐985頃)「白河に水かふ青の駒ひきを波のたつとやよそめしつらん」

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デジタル大辞泉 「余所目」の意味・読み・例文・類語

よそ‐め【余所目】

よそから見たところ。はたの見る目。よそみ。「余所目をはばかる」「余所目には楽に見える仕事
よそのことのように見ること。傍観すること。
自分で拵えた此一場の架空劇を―に見て」〈漱石明暗
余所見よそみ1」に同じ。
「一枚二枚は―を振らず一心に筆を運ぶが」〈二葉亭平凡
見ても見ないふりをすること。
「己が任にあづからねば、―つかひて有りしなるべし」〈読・春雨海賊
[類語]はた目岡目

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