余市鉱山(読み)よいちこうざん

日本歴史地名大系 「余市鉱山」の解説

余市鉱山
よいちこうざん

余市町西部(豊浜町)にあった鉱山。仁木にき町の大江おおえ鉱山に近接する。鉱脈仁木町南西部の稲穂いなほ嶺から北西方の八内はちない岳まで連なる。明治一六年(一八八三)六月「オキ村ユーナイ字ユノサワ」で同村の中村留吉が漁猟の際に銀銅鉱を発見、村の竹内・小黒、小樽の大竹諸氏とともに試掘出願、同二一年許可を得て同二二年四月借区・開坑したという(鉱山略記)。大正五年(一九一六)藤原七四郎が金銀鉱を発見、同六年山本喜代松が開鉱。これより先、大正二年に田中鉱業が試掘していた湯内ゆうない鉱は同七年住友合資会社が譲り受け、規模を拡大して採掘した。のち元山(山道)鉱区とともに休鉱。昭和七年(一九三二)山道さんどう鉱区が再開、採掘された金銀鉱は秋田県の住友八盛製錬所に送られた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報