何卒(読み)なにとぞ

精選版 日本国語大辞典 「何卒」の意味・読み・例文・類語

なに‐とぞ【何卒】

〘副〙 (代名詞「なに(何)」に助詞「と」「ぞ」が付いてできたもの)
手段を尽くそうという意志を表わす。どうぞして。なんとかして。なにとぞして。
信長公記(1598)八「其段も何とぞかまひこれあらば、理(ことわり)に及ぶべし」
相手への強い懇願の気持を表わす。どうか(…して下さい)。どうか(…でありますように)。
※虎明本狂言・三本柱(室町末‐近世初)「『何とぞしあんをさしめ』『何とせうぞ』」

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デジタル大辞泉 「何卒」の意味・読み・例文・類語

なに‐とぞ【何卒】

[副]《代名詞「なに」+格助詞「と」+係助詞「ぞ」から》
相手に強く願う気持ちを表す。どうぞ。どうか。「何卒お許しください」
手段を尽くそうとする意志を表す。なんとかして。ぜひとも。
拙老より篤と本人へ申聴かせ―して料簡を入替えさせ度」〈谷崎蓼喰ふ虫
[類語]強いて敢えてむりやり努めてできるだけ極力なるたけなるべく可及的必ずきっと絶対是非何としてもどうしても何が何でも是が非でも押してたってどうぞどうかくれぐれも願わくはなんとかまげてひとつ必ずや必然必定必死不可避誓っててっきり違いないはず決まってすなわち否が応でも否でも応でもいやでもいやとも是非とも無理無理算段無理無体無理押し無理強制的強引強気強行独断独断的理不尽強硬頑強問答無用強要力尽く力任せ腕尽くごり押し断固一刀両断横柄威圧的否応無し頑として横紙破り横紙を破る有無を言わせず腕力に訴える横車を押す押し付けがましいねじ伏せる首に縄を付ける遠慮会釈もない遠慮高圧的高飛車頭ごなし押し通す押し付ける一方的豪腕なにぶん平にしんからこころから衷心返す返す

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