体外衝撃波破砕法(読み)たいがいしょうげきははさいほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「体外衝撃波破砕法」の意味・わかりやすい解説

体外衝撃波破砕法
たいがいしょうげきははさいほう

結石を衝撃波で破砕する治療法。水中に置いた電極に高電圧をかけ,100万分の1秒というきわめて短時間に放電すると,電極の周囲に高熱が発生し,水が瞬間的に沸騰して爆発し,衝撃波が発生する。しかもこの衝撃波は音波に似た波で,水分を多く含む皮膚や筋肉などは音響学的に水と似た組織であるため,そのまま身体中へと入っていくことができる。しかしカルシウムなどの鉱物でできている腎・尿結石に当たって反射する波とそのまま侵入する波とに分かれ,その圧縮力と張力が作用してエネルギーを放出,結石を砕くというのがその仕組みである。X線透視で結石の位置を衝撃波の焦点に合わせて行なうわけであるが,結石の近くに石灰化した動脈静脈があれば血管壁も破壊される危険がある。また肥満が著しい患者では,皮膚表面と腎結石の間の距離が開きすぎてこの方法では治療できない。粉々になった結石は尿とともに体の外側に排出されるが,尿管などに尿の流れがスムーズでないところがあると,結石が流れずにたまってしまう。この場合はあらかじめ狭いところを治す手段が必要となる。

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