20世紀日本人名事典 「佐藤 惣之助」の解説
佐藤 惣之助
サトウ ソウノスケ
- 生年
- 明治23(1890)年12月3日
- 没年
- 昭和17(1942)年5月15日
- 出生地
- 神奈川県橘樹郡川崎町砂子(現・川崎市)
- 学歴〔年〕
- 小学校高等科1年修了
- 経歴
- 早くから佐藤紅緑門下で句作をし、一方大正元年から詩作に転じ、5年詩集「正義の兜」を刊行、続いて「狂へる歌」を刊行し、詩壇で注目される。この頃白樺派の人道主義的傾向があったが、「満月の川」「深紅の人」あたりから、生命感あふれ、色彩の華やかな独自の世界を形成。詩話会の中心メンバー。14年からアンデパンダンの詩人グループ・詩之家をつくり、昭和6年まで同人誌を刊行した。ほかに「荒野の娘」「華やかな散歩」「琉球諸島風物詩集」「情艶詩集」「水を歩みて」「トランシット」「愛国詩集」「怒れる神」など22冊の詩集がある。句集「螢蠅盧句集」「春羽織」など3冊、随筆集「蠅と螢」、釣りに関する本7冊と活躍は多伎にわたる。また昭和6年ごろから歌謡曲の作詞も手がけ、プロ野球・阪神タイガースの球団歌「六甲おろし」の他、「赤城の子守唄」「人生劇場」「湖畔の宿」など数々のヒット曲を生み、生涯に800余りの作品を残した。「佐藤惣之助全集」(全3巻 桜井書店)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報