精選版 日本国語大辞典 「佐田岬」の意味・読み・例文・類語
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四国の北西端に突き出た佐田岬半島突端にある岬。愛媛県西宇和郡伊方(いかた)町に属し、中央構造線が豊予(ほうよ)海峡に没する地点である。豊予海峡を隔てて九州の関崎(せきざき)と相対する。古生代三波川(さんばがわ)系結晶片岩からなる断層崖(がい)、海食崖が特有の荒磯(あらいそ)海岸をつくり、瀬戸内海国立公園に含まれる。岬には佐田岬灯台があり、第二次世界大戦中に建造の軍事要塞(ようさい)、サザエ・アワビ・イセエビなどの蓄養池、強風により変形したウバメガシなどが散策路で結ばれ、対岸の九州や岬先端の黄金碆(おうごんばえ)などの岩礁の展望もすばらしい。なお豊予海峡は急潮流で海の難所であり、参勤交代のときも宇和島藩主は大佐田浦で下船し、山越えをして二名津(ふたなづ)で乗船し、舟だけが岬を迂回(うかい)した。
[深石一夫]
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